テーマ:「続9・LOVE❤︎人間」
アーティスト/アートディレクター
成田 久 氏Hisashi Narita
- PROFILE
- 1970年生まれ。キュキュキュカンパニー主宰。過去に資生堂宣伝制作部アートディレクターとして、資生堂ブランドのアートディレクションやフリーペーパー「ギンザドキドキ」の編集長を務める。さらにNHK大河ドラマ「八重の桜」のポスタービジュアル、「ただいま、東北♥」キャンペーン企画などを担当するほか、雑誌「装苑」にて「舞台 JAM PLAY」を連載。現在はアーティストとしてキュキュキュカンパニーを主宰し展覧会を多数開催している。東京デザインプレックス研究所プレックスプログラム登壇。

第1部:講義「LOVE 人間」
講義1
今回お越しいただいたのは、10回目のご登壇となるアーティスト/アートディレクターの成田久さんです。講義では、成田さんが手がけた数々の作品と合わせて、クリエイションのプロセスなどをたっぷりとお話しいただきました。「皆さんとの交流を楽しみにしてきました。楽しく気楽にお話しましょう~!」そんな成田さんらしい柔らかな一言とともに講義はスタートです。まず上映されたのは、成田さんの自己紹介ムービー。学生時代や資生堂でのお仕事など、数々の出会いがテンポよく映し出され、講義への期待が自然と高まる幕開けとなります。

講義2
「小学生の頃は、課題を達成すると次の課題に進めるという仕組みに楽しさを覚えて、頑張ることにハマっていました(笑)」と語る成田さん。大学在学中には、すでに大学院への進学を視野に入れ、自主制作やコンペ、セルフプロデュースに積極的に取り組んでいたと言います。この「次のステージを目指す姿勢」は、後の資生堂への挑戦にもつながったそうです。「資生堂の募集があった時、自分のやりたいことをぐるっとできそうだなと思ったんです。作品を見てもらえる機会にもなるし、当時興味のあったメディアの仕事にも関われる。そんな気持ちで、コンペの一つのような感覚で応募しました。」

講義3
続いての話題は、資生堂でのクリエイションについて。『TSUBAKI』や『uno』など数々のブランドを担当してきた成田さんに、広告づくりの考え方について話していただきました。中でも印象的だったのは、キャスティングへの強いこだわりです。「キャスティングは、なんというか半分趣味みたいなもので(笑)。最近はどんな人が人気なのかな〜とか色々考えながら、時代に合う人を探したいんです。知名度があるから起用するのではなく、ネクストブレイクが資生堂から出ると思っていたので、さまざまな可能性を考えてその時にピッタリな人を見つけるようにしていました。」

講義4
さらに、商品を伝えるだけでなく、「この人からどんな魅力を引き出せるか」という視点からも企画を考えているという成田さん。その人の個性や時代の空気感を読み取りながら、新たな魅力を引き出すクリエイションに挑戦してきたと言います。そのお話からは、数々の作品の裏側に鋭い観察力と明確な意図があったことが伝わってきました。また、クリエイションの中で「この人と仕事がしたい」「こんな仕事をしたい」という想いは周囲に積極的に伝えてきたそう。そのエピソードの一つとして挙げられたのが、現在10年にわたり仕事を共にしている、劇団を主宰するノゾエ征爾さんとの出会いです。

講義5
「初めてノゾエさんの舞台を観た時、その良さに衝撃を受けました。その後、自分のトークイベントにノゾエさんを招いて、“いつか一緒に仕事がしたい”と半分告白みたいなことをしましたね〜(笑)。」その想いは後に『ハエのように舞い 牛は笑う』の宣伝美術として実現することになります。その他にも大河ドラマ『八重の桜』のポスタービジュアル、『ただいま、東北♥︎』の番組制作など、想いを伝え続けたことで生まれた仕事についても話してくださいました。

第2部:ワークショップ「LOVE人間 告白タイム」
ワークショップ1
後半は、ワークショップが行われました。テーマは恒例の「LOVE❤︎人間」です。家族以外で大好きな人や憧れの人を一人選び、その人への想いを手紙に書いてくるという事前課題が課されていました。「LOVE❤PASSIONはクリエイト魂を熱く揺さぶる!目の前に本人がいると思って、自身の思うままに愛をぶつけてください!」と成田さん。想いを綴ったLOVEレターによる学生たちの告白タイムが始まります。

ワークショップ2
トップバッターの学生が想いを語ったのは、映画監督でアートディレクターのティム・バートン。その作品と出会ったのは小学生の頃で、映画館で手に取った『コープスブライド』のチラシがきっかけだったと言います。当時は“死”に対して強い恐怖心を抱いていたそうですが、ロマンティックで活気あふれる死後の世界を描いたその作品に出会い、自身の視野が大きく広がったと同時に、「見方を変えれば、恐れの対象だったものも美しく威力的に表現できる」という価値観を得ることができたと語りました。

ワークショップ3
続いて黒柳徹子さんへの愛を語った学生は、自ら描いた似顔絵とともにラブレターを披露。普段から似顔絵を描いているという学生に対し、成田さんは「発信を続けることで本人に届く可能性もあるし、そもそも絵がとても良い!継続して!」とエールを送ります。他にもミュージカル女優・小説家・アイドルなど、様々な人へのラブレターが発表されました。一人ひとりの「LOVE」に成田さんも興味津々で、質問を重ねたり、その場で経歴を調べたりする場面も。好きな気持ちを言葉にして伝えることの面白さや大切さを感じられる時間となりました。
