プレックスプログラム レポート

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「編集的思考とデザイン」

2015年10月7日(水)

株式会社ライノ 代表取締役社長

蔡 俊行 氏

Toshiyuki Sai

<PROFILE>

ファッション・スポーツブランド関係の扱いの多い制作会社 ライノ代表。マガジンハウス・ポパイのフリー編集者を経て、1994年に有限会社ハッスル設立。それまでに日本になかったスタイリストマネージメントを行う傍ら、編集・制作プロダクション業務を行う。ユニクロの最初期フリースブームと原宿店に関わるほぼ全てのクリエイティブ制作を行う。2004年、日本で初めてのWebメンズファッションメディア「フィナム」を立ち上げる(国際連合情報社会世界サミット大賞受賞)。2006年、社名を株式会社ライノへ変更。同時にメンズファッションブランド「ホワイトマウンテニアリング」を立ち上げる。2010年子供向けファッション雑誌「Milk Japon」、2015年10歳を越えたフィナムから、スピンオフの雑誌「フィナム・アンプラグド」を創刊。

蔡 俊行 氏

第1部:トークショー「編集的思考とデザイン」

講義1

今回のプレックスプログラムは、株式会社ライノ代表の蔡俊行さんです。蔡さんは今回初の登壇となります。参加者の中には、蔡さんが手掛けるメンズファッションWebメディア「フィナム」やファッションブランド「ホワイトマウンテニアリング」のファンも多く、プログラムへの期待が高まります。
まずは、蔡さんがPOPEYEのフリー編集者から会社を立ち上げ、軌道に乗るまでの苦労話をユーモアを交えて説明していただきます。その後、非インターネット時代からの様々な山あり谷ありを経て、ブロードバンド化の時代に対応したWeb上のメンズファッション誌「フィナム」のアイデアにたどり着いたそうです。蔡さんが培って来た編集的思考が功を奏し、昨年で創刊から10周年を迎えています。

講義2

フィナムが10周年を迎えた次の展開として、今年スピンオフの雑誌となる「フィナム・アンプラグド」を創刊したそうです。元々蔡さんの会社でも、また紙をやりたい、というくすぶっていた想いをスタッフの人達が抱えていたところに、ちょうど講談社ビーシーとの話がまとまり、実現した企画とのことです。
この時代に敢えて紙媒体という原点回帰をするにあたって、「フィナム・アンプラグド」は価格に見合うよう、テキストボリュームも多く、内容にもこだわったそうです。こういった「赤字でもいいから良いものを作りたい」という作り手の想いが、結果的に多くの反響を呼んだそうです。更に、ファッション系業界誌「WWD」のライフスタイル部門でも金メダルを受賞するなど、さらなる躍進も期待されます。

講義3

前半の最後は、クリエイターとして成功するためのアドバイスです。「林檎と皿を見ずに描いてみる」という話から、「受け手が○○だと思っていることに対し、良い意味での裏切りができること」、東スポのちょっと面白いエピソードから、「何の変哲もないものを、新しく見せることができること(柔軟な解釈)」、スポーツ選手の話から、「練習を続けることの重要性(たくさんの本や映画を読む、見ること)」という3つのアドバイスをいただきました。
最後に、蔡さんから「何かをやりたいと思ったとき、これからの自分の人生の中で“今の自分が一番若い”んです。何かを始めることに遅いということは無いから頑張ってください!」と激励をいただきます。蔡さんのモチベーションが高まる一言に、参加者の表情も引き締まりました。

第2部:ワークショップ「食のキュレーションサイトを企画する」

ワークショップ1

今回のワークショップは、今後蔡さんご自身が進めていこうと思案している“食”をテーマにしたWebサイトの企画を皆さんも考えてみる、という内容です。“食”という皆に分かり易いテーマとなり、1チーム6~8名で全10チームのグループを作り、各チーム「食のキュレーションサイト企画」についてディスカッションを開始します。
「食べ物さえテーマになっていれば、高級料理でもB級グルメでも構わない」ということで、細い制限が設けられていない分、大きいテーマからどのようにして1つの企画まで落とし込むか?各チームも苦戦しながらディスカッションを進めていきます。

ワークショップ2

ディスカッションもひと段落して、今度は話し合った内容を企画としてまとめていきます。デザインストラテジー(デザイン戦略)の授業を受けている参加者も多いため、マインドマップや3C分析なども活用しているチームが多いのが印象的です。企画が仕上がり、いよいよ各チームの発表です。“欲を満たす”をコンセプトに、肉汁やとろけるクリームなどのフォトビジュアルにこだわった『フードポルノ』や、冷凍食品のディープな世界を載せる『冷食系男子』、ガイドブックに載っていない、コアな店の情報を集める『裏ミシュラン』等、面白い企画が続きます。コンビニ弁当と栄養バランスを検索・比較できる『コン×バラ』に関しては、蔡さん達も考えていたそうで、コンビニは良いクライアントになるので、目の付け所がいい!と高評価です。

ワークショップ3

更にファッションのインフルエンサーが食のライフスタイルを紹介するという、フィナム内でのコンテンツを意識した『Fashion Foodies』。「こういう風に食べたらカッコいいんじゃないか?」をテーマにした、企業とのタイアップに重点を置いた『食スタイル』という企画も、マネタイズを意識した点が良い!という評価になりました。変わった企画としては、自分の気分に合ったアイコン(嬉しい、悲しい、疲れた等)を選ぶことで、状態にあったお店を提案してくれる『アイコンでGO!』というサイトの企画があり、蔡さんも「感情から入るのは面白い。ファッションにも通じるかも。」とコメントしていただきました。

ワークショップ4&総評

他にも、TPPの影響を勘案して、日本のお米の安全性や生産者をテーマにした情報サイトの企画『YONE』、ペットと共に食せるものやペットの年齢や状態に適した食の情報を知ることができる『OSUSOWAKE』、作りたい人と食べたい人のマッチングを行い、仲介料で運営する『食×出会い』という、ビジネスとして面白いアイデアも発表され、蔡さんも一つ一つの企画に的確なコメントをしていきます。全チームの発表が終わり、蔡さんから総評です。「今日は皆さんのやる気や真摯さが感じられた一日でした。その情熱を昇華させていけば、成功が見えてくると思います。是非、修練を積んでください。」蔡さん、本日はありがとうございました!

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