PLEX PROGRAM REPORTプレックスプログラムレポート

テーマ:「デザインを仕事にするということ」

アートディレクター

堂々 穣 氏Minoru Dodo

PROFILE
東京工芸大学芸術学部デザイン学科卒業。たき工房、BRIDGEを経て、2012年にデザイン会社DODODESIGN設立。2015年からHaveFunという生活をより豊かに楽しくするデザイングッズのブランドを運営。主なクライアント:JR東日本、JR東日本クロスステーション、SONY、ダイハツ、KOKUYO、ベネッセ、大塚製薬、アンファー、ORBIS、FANCL、マネーフォワード、アイセイ薬局、ドミノピザ、パティスリー キハチ等。主な受賞歴/GOOD DESIGN賞、ADFESTAWARD、K-DESIGN AWARD、A’ DESIGN AWARD&COMPETITION、日本パッケージデザイン大賞、ACC賞、他受賞多数。

第1部:講義「デザインを仕事にするということ」

講義1

本日のプレックスプログラムは、DODO DESIGN代表/グラフィックデザイナーの堂々穣さんをお迎えします。堂々さんはJR東日本地産品ショップ「のもの」シンボルマークデザインや、ダイハツ「TANTO」・アサヒビール「アサヒオフ」広告キャンペーン等で話題のアートディレクターです。高校生の時にジャマイカのタイポグラファー「SASSAFRAS」のデザイン画に衝撃を受け、この世界に足を踏み入れたという堂々さん。もともとブラックカルチャーが好きな堂々さんは、自分の好きなことを突き詰めながらキャリアアップをしてきたそうです。どのデザインにも遊び心を感じさせてくれるデザインの源泉はここから来ているのかもしれません。

講義2

まずは堂々さんが手掛けたデザインをエピソードと共に紹介いただきます。伊勢丹オンラインギフトブランド『MOO:D MARK』のラッピングのリニューアル企画の際には、「送る人と受け取る人のリレーションを感じさせるものに一新したい」という依頼があったそうです。堂々さんはまずWEBやSNSを駆使して資料を集め、考え方を整理しながら方向性やゴールをイメージしたといいます。このリサーチ作業はデザイン工程全体の約7割を占める大切な作業で、とにかく手を動かし数を出すのが堂々さんのスタイルなのだとおっしゃいます。

講義3

人と人との繋がりも大事な世界だからこそ、ご縁を大事にしている堂々さん。次にご紹介いただいたJR東日本「交通広告グランプリ」のアワードデザインは、以前より関わりのあった方から依頼を受けたそうです。デザインはマニュアル通りにするのではなく、自分の直感や好きなものを大切にしながら仕上げるのがコツなのだとか。他にもJR東日本のエキナカを中心に展開しているacuremadeの飲料水「from AQUA」のパッケージデザインのコンペでは、購買意欲を上げるという目的を重視してデザイン。感覚は百人百様であったとしても、誰が見ても良いと思えるようなデザインが肝心になります。

講義4

今回のテーマである「デザインを仕事にするということ」について、堂々さんの6つの考えを経験談とともに教えていただきました。
1.今の仕事が将来の仕事に繋がる。
2.ピンチはチャンスの顔つき。
3. 一日一善、運を上げる努力をすることで応援してもらえるようになる。
4. 世の中の記憶に残る代表作を作る。
5. 継続することで見えてくるものが必ずある。
6. 人の声を傾聴する、約束を守る。

第2部:ワークショップ「表紙デザインを考えてみよう」

ワークショップ1

講義の後半はワークショップを行います。今回は事前に課題が出されており、学生それぞれのアイデアを発表してもらいます。テーマは「薬局が発行する"食中毒"についてのフリーペーパーの表紙デザイン」です。堂々さんからは、「中身を読み進めたくなるようなインパクト、その先に続くストーリーも一緒に考えてもらえればと思います。一番大事なことは、誰も嫌な思いをしないという配慮を忘れないことです」と企画にあたってのアドバイスをいただきました。学生たち各々の個性が光るプレゼンテーションが始まります。

ワークショップ2

ある学生は、食中毒になった原因を探ることを起点とした企画を発表。あの時何を食べたかな?と思い出すことから発想したのが、”いつのことだか 思い出してごらん”の歌詞から始まる『おもいでのアルバム』という歌だったそうです。そこからビジュアルのヒントを得て、楽譜を使用したデザインを提案しました。堂々さんからは「ビジュアル勝負の提案が多い中、オリジナリティのある視点で考案したところが良い」と高評価をいただきました。

ワークショップ3

他にも、食中毒のイメージを“菌たちがバンド演奏をしているライブの様子”に見立てて表現した学生も。ポイントは、菌の集まるステージを「生肉」に、盛り上がる観客を「繁殖している菌」に例えたポップなイラストです。堂々さんからは「表現をここから写真にしていくのかイラストにしていくのか課題は残っているが、菌がキャラクターに扮しているところが非常に面白いです」とコメントをいただきました。

総評

最後に堂々さんからメッセージをいただきました。「デザインの仕事では、今回のようにプレゼンテーションをして、自分の作ったものをクライアントに納得してもらうという作業を繰り返し行います。これからは皆さんの世代が日本のデザイン業界を変えていくと思うので、ぜひ思いきりやりたいことをやってほしいと思います。」講義を通して仕事に対しての向き合い方や、何事も継続することの大切さを改めて考える機会になったのではないでしょうか。堂々さん、本日はありがとうございました。