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「スマート化がもたらすデザインバリューチェーンの変化」

2014年9月27日(土)

amadana株式会社 代表取締役社長

熊本 浩志 氏

Hiroshi Kumamoto

<PROFILE>

amadana株式会社 代表取締役社長 株式会社リアル・フリートの創業者で、現amadana株式会社 代表取締役社長。
1975年宮崎県宮崎市生まれ。家業の「電気店」の長男として生まれ、自他共に認める家電好き。
大手電機メーカーにて、 家電商品の販促企画、商品企画を担当。2002年9月に退社後、27歳で株式会社リアル・フリートを設立し代表取締役就任。
2003年にはオリジナルブランド " amadana " を立ち上げ、ブランドマネージメントから商品企画、マーケティングを自ら担当する。
2014年6月4日に「株式会社リアル・フリート」から「amadana株式会社」に会社名を変更。現在に至る。

熊本 浩志 氏

第1部:トークショー「スマート化がもたらすデザインバリューチェーンの変化」

講義1

本日のプレックスプログラムは、日本ならではの生活様式、美意識、そしてテクノロジーを兼ね備え、世界展開を行っている家電ブランド「アマダナ」の代表取締役社長・熊本浩志さんに行っていただきます。デザインファンデーションの授業でも出てくる「クリエイティブ」「ビジネス」「コミュニケーション」が具体的に展開されている、アマダナのエッセンスを学べる貴重な機会に、受講生の期待も高まります。

講義2

「車や電気など、類を見ない数のメーカーを抱える日本の生活を劇的に変えてきた家電。その次世代のデザインの方向性は、情緒的なカルチャーではないか」と、宮崎県の電気屋に生まれ、幼い頃から家電を身近に感じてきた熊本さんの言葉から電気業界に対する熱い想いが伝わります。27歳で東芝を退職、今の会社を始めました。「起業がしたければ、絶対20代で一度やった方が良い。起業と経営はまた違うものなので、理屈や頭の良さは関係ない」と起業家への講義も行う熊本さんからアドバイス。

講義3

2014年、世界でNo.1の生産シェアを誇る中国の家電メーカー「ハイアール」との戦略的パートナーシップを締結。家電業界に今求められているものは、既存のプラットフォームを使用したイノベーションであり、それは「よそ者、若者、馬鹿者にしか起こせない」と、熊本さんは断言します。経営に理屈は必要ですが、はじめのアイディアを創出する段階では数値で物事を考えるのではなく、固定概念をぶち壊す発想が大事なのだと、自身が開発したペットボトル型の“ウェアラブルバッテリー”を例に説明していました。

講義4

「クリエイティブの役割は新事業の創造、つまり新たなお金を生み出すこと。そしてこれが何と繋がるかを設計するのがデザイン。顧客体験(UX)ファーストの今の時代、モノではなくユーザーの体験をどうサービスに巻き込んでいくかを考え、ビジネスモデルをオープンにし“共創”していく必要があると熊本さんは語ります。スマート化によって起こったバリューチェーンの変化は、あらゆるものがインターネットと繋がるモノ(ハードウェア)の先にあるサービスなのだと、ワークショップのヒントになる言葉で前半を締めくくりました。

第2部:ワークショップ「モノ、通信、サービスを融合したビジネスモデルを考える」

ワークショップ1

後半はワークショップです。本日のお題は「モノ、通信、サービスを融合したビジネスモデルを考える」です。6-7人のグループに分かれ、サービスとハードウェアをマッチさせたアイディアを30分程で話し合います。こういうモノがあったら良いな、じゃあもう少し面白くしよう、と受講生は楽しそうに夢を膨らませていました。

ワークショップ2

発表直前に熊本さんから、アマダナが昨年立ち上げた、様々な企業・個人と共創して新たなスマートエレクトロニクスを編み出すプラットフォーム「amidus(アミダス)」で、実際にアイディアを公表しようと提案。着想(ワークショップ)→アイディア募集(投稿/公表)→アイディア評価(他者による意見や提案)→Ideation審査→ビジネスクリエイション(現実化)のamidusの仕組みを実体験するためです。緊張と不安の中、各グループの代表者が発表をします。

ワークショップ3

自分の日々食べている物をログとしてWeb上で記録し、そのデータを病院や飲食店と共有し、ビジネスにしようという体ブログ案や、人が持っている熱を活用して生活電気を養うシステム、ハグしたいという彼の気持ちが離れている彼女の隣のロボットに転送され実行されるフィジカル×デジタルを掛け合わせた案や、あらかじめ登録した希望条件に合った人を教えてくれる出逢いメガネ、そして忘れ物や荷物を運んでくれるタケコプターの発案など、面白いアイディアが続出。

総評

「人の純粋な欲求に基づいたものは必ず形になるので、そこに注目したのは良いですね。どれも今すぐ公表して欲しいものばかり。まずは課題、ターゲットを明確にし、どのようなサービスを提供するかを伝えるのがポイントです。」と、内容だけでなく、熊本さんはプレゼンテーターの身振り手振りやプレゼン方法にも注目していました。

Text by 東京デザインプレックス研究所 修了生
矢田貝恵

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