プレックスプログラム レポート

  • コンセプトデザイン
  • ボーダレスデザイン
  • デザインプロセス
  • プラスデザイン
  • デザイントレンド

「諦めない心と多様性」

2013年12月20日(金)

アートディレクター女優
千原 徹也 氏×菊地 凛子 氏
Tetsuya ChiharaRinko Kikuchi

<PROFILE>

【千原徹也 プロフィール】
デザインオフィス「株式会社れもんらいふ」代表。広告、装丁、ファッションブランディング、WEBなどデザインするジャンルは様々。主なアートディレクションに、ラフォーレ原宿、my panda、遠い夏のゴッホ、100万回生きたねこ、レスリーキー写真集、ドラえもん、菊地凛子web、装苑、Zoff、きゃりーぱみゅぱみゅ、など。

【菊地凛子 プロフィール】
映画 テレビ CMと幅広く活躍する女優。映画『バベル』 『ノルウェイの森』『47RONIN』『パシフィック・リム』 TV「モテキ」「ライアーゲーム2」 ショートフィルム「MEMORY OF AN ARTIST〜芸術家の記憶」では監督・脚本・主演を務める。おもにハリウッドで活躍する数少ない日本人のひとりである。

千原 徹也 氏 × 菊地 凛子 氏

第1部:トークショー「諦めない心と多様性」

講義1

今年最後のプレックスプログラムは、ご友人同士でもあり、いくつもの作品でコラボレーションをする、アートディレクターの千原徹也さんと女優の菊地凛子さんをお迎えします。 講義は菊地さんにとって大きな転機となった映画『バベル』のお話から始まります。「自分のキャリアが15歳で始まって、代表作が25歳の時に無ければ潔く止めようと思っていました。普通は7年で結果が出なかったら、と言われているらしいんですけど、しつこかったんです私。だから切りよく10年。これでだめだったら・・・と思っていたので、1年のオーディションを乗り切れました」そうして役を得たのが、24歳の時だったそうです。

講義2

その後、アカデミー賞へのノミネートをされるなど国際的な活動をスタートされ、日本での所属事務所から独立をし、アメリカへと渡ります。「アメリカは、リスクがあってもどこかで才能を認める所が私はあると思います。すごく狭いけどチャンスは与えてくれる」とお話がありました。そして千原さんは渡米した菊地さんから受けた「やったものがそのまま金額に跳ね返るのがアメリカ。会社員だとその評価がわかりにくくなる。クリエイターとして自分のアートにちゃんとした金額を付けてもらうのがクリエイターなのでは。」という言葉で独立を決意したそうです。

講義3

インターナショナルな菊地さんですが、多くの渡航を繰り返し、新しい生活を始める事は「毎回、正直いやです」と意外な言葉が。それでも「人と人との関係性の間にしか、自分の想像力を豊かにしてくれるものはないと常々思ってるんです。映画よりもリアルが現代生活にあるじゃないですか。今年はミネソタで北の人たちと話をしたり、イタリアの人と話をしたり。人と話すと自分がクリエイティブになる。私はそれがすごく好きなんです。」とお話があり、菊地さんの探求心に受講生も感じ入っている様子でした。

講義4

講義は千原さんの作品紹介へ。多くのファッション広告を手がけてきた千原さんですが、最近では森美術館の「六本木クロッシング」などファッション以外のデザインをすることも増えてきたそうです。「保守的なクライアントだとしても、僕も保守的に返すのではなく、今までそのクライアントがやったことがないことを提案する、というのが自分のスタイルとしては大事かなと思っています」と千原さん。プレゼンでは困惑されることもあるそうですが、それで貫き通されるスタイルは、新しいデザインを求めるクライアントに高く評価されています。

講義5

千原さんと菊地さんのコラボレーション作品となった『Zucca 25th』のプロモーションは、菊地さんの提案でショートフィルムを撮影することとなったそうで、千原さんは「デザイナーだけで話をしていくのではなく、違う尺度で物事を見ている人の意見を入れてみたらどうなっていくのか、というのを見ながら、完成に持ってくのは面白かったです」と語り、菊地さんも「監督と脚本をやってみて、たくさんの制約があることを初めて知ったんです。とても勉強になりました」とのことでした。

第2部:質疑応答

質疑応答1

たくさんの質問の中から、特に印象的だったものをご紹介します。「アピールする時や自分を売り込む時の、核とか喋り方、ツールなどを教えてください」という質問に、千原さんからは「僕の金髪眼鏡っていうのはひとつの武器で、逆に黒髪で普通のおにいちゃんって服装でプレゼンに行くと緊張するんです。訳わからんのが来たと思われているほうが、どんな質問が来ても”いいや金髪やし”と思われる」。菊地さんも「仕事に直接関係なくても、これがあれば勝てるというものを見つけたらいいと思います。それを見つけるのはすごく孤独な作業なんですけど、是非やってみてください」とアドバイスを頂きました。

質疑応答2

また、続けて菊地さんからは「映画祭に行くとレッドカーペットがあるんですけど、自分が選んだものを着ていくと死ぬほど緊張するんです。何が自分の武器になるかというと、自分の演じた作品や女優魂じゃ一切ないんです。私には洋服とピンヒールなんです。私がシャネルを着るのは、シャネルが私に勇気を与えてくれるからなんです」 と印象的なエピソードもご紹介して頂きました。最後に千原さんからは「今日の話の中で”諦めないで”というのが一番印象に残っています。皆が目指す山ではなく、自分だけの山を探って行くということを心掛けていけば、何も気にしないで苦しいことにも没頭できると思うんです」とお話を頂きました。

質疑応答3

菊地さんからは「未だ自分も不安ですし怖いですし、もしかしたら明日からできないかもしれないと思う中で、その過程を楽しむようにしています。”あかん、もうできん”って言っているのは楽だけど、ポジティブに物事をとらえるのは、ものすごく努力がいるんですよ。私はまだ途中にいるんだなと常々思うんで、過程も大事にするというのが大切なんかなという気持ちです」というアドバイスを頂き、本日の講義は終了です。 千原さん、菊地さん共に「諦めない」という姿勢を強く実践された結果、今があるのだと感じた講義でした。千原先生、菊地先生、本日はありがとうございました!

Text by 東京デザインプレックス研究所修了生
久保隆平

このページの先頭へ