プレックスプログラム レポート

  • クリエイティブワークショップ

「空気をデザインする」

2012年6月24日(日)

空間デザイナー/
ベルベッタ・デザインオフィス代表

長谷川 喜美 氏

Kimi Hasegawa

<PROFILE>

空間デザイナー。ベルベッタ・デザインオフィス代表。空間、グラフィック、Webサイトに至るまで、デザイン全般を幅広く手がける。近年では、銀座イルミネーション”希望の翼”、表参道イルミネーション、表参道ヒルズのエントランスデザイン及びイベントスペースデザイン、日産デザインセンターブランドルーム、マツダ新車発表会では次代を担う3人の女性クリエイターとして参加。その他、ミラノサローネにおける各種企画展のクリエイティブディレクション、ネイルサロン「Nail Station」のクリエイティブディレクション及びブランディングなど。DDA産業大賞、DDA優秀賞等多数受賞。www.velveta.jp

長谷川喜美氏

第1部:トークショー「空気をデザインする。長谷川講師のデザインコア」

講義1

まず始めに、長谷川講師がご自身のデザインコアとしている〈空気をデザインする〉ことについてお話いただきます。物や形ではなく、どんな空気でその場に訪れた人を包みたいのかを考え、その〈空気〉を作るのだそうです。

 「表参道のイルミネーション」をはじめ、多様な業種の店舗やショールームなど、これまで手掛けてきたデザインについては、その構想や制作過程を交えてご紹介いただきました。

講義2

続いて、実際にデザインが生まれるまでの流れを〈知・創・証・伝〉の4つのキーワードに沿ってお話していただきます。

「どんな条件下でも、自分のデザインに言い訳しない」という長谷川講師の言葉は、各分野でプロフェッショナルを目指す受講生にとって、重要な教訓となります。

質問コーナー

“男性が限りなく女性目線になって女性向けのデザインをすることは可能ですか”という問いには「もちろん!それは度量次第です。」というお答え。
“空気感を伝えるのに気に入っているプレゼン方法は”という問いには「よく物語をつくって説明します」と教えてくださいました。
質問が殺到しましたが、今日はここまで。

第2部:ワークショップ「創造のトレーニング」

ワークショップ1

今回は、コーヒーカップとソーサーのデザインを通して、1つの物事を多方向から、多数考えるトレーニングに挑戦です。
まずは配られたシートをもとに、〈喜・怒・哀・楽〉それぞれをテーマとした4パターンのデザインを構想。コンセプトやデザインにまつわるストーリーなどを書き出していきます。
「1つのテーマに対して5分」という短い時間内で、かなり頭を悩ませている人もいたようです……。

ワークショップ2

構想が終わると各自4つのテーマから1つを選び出し、いよいよ実物の制作に入ります。1人1セットの白いカップとソーサーが配られ、約40分間で作品を仕上げます。 
様々な素材を利用し、デザインに込めた想いを形にしていきます。出来上がった作品は各自で持ち帰えるため、カップやソーサーとしての機能が損なわれてしまうような斬新なアイディアも可能です。
受講生の皆さん、黙々と作品制作に取り組んでいます。

優秀作品への投票

制作時間が終わり作品のお披露目です。
構想の段階でコンセプトなどを記入したシートと、完成した作品両方を並べて参加者全員で投票を行います。
カップの中に紙粘土の人間が入っている作品、ゴキブリが入っている作品、ソーサーに置いた時とカップを持ち上げた時で違ったデザインに見える作品など、面白い作品ばかりです。なぜか〈哀〉や〈怒〉のテーマで制作した受講生が多かったようですが……制作中はとても〈楽〉しそうでした。

結果発表と講評

甲乙つけがたいデザインに、今回は票がばらけた結果となりました。1位に選ばれたのは、紅白や翼のモチーフで結婚という〈喜〉を表現した作品と、カップが45度に傾いた〈楽〉の作品です。
評価のポイントとして、「表層的な出来上がりだけではなく、デザインのコンセプトやそれをどう表現しているかという点をもっと評価しなければ」というご指摘がありました。
3位に選ばれたのは、〈喜〉という文字を〈豆+口〉に分解して表現した作品で、テーマを広く自由にとらえた点が評価されました。

メッセージ

最後は長谷川講師からのメッセージです。
「何のためにデザインするのか、その目的を考えることと、自分のデザインを誰がどのように評価するのかを意識して作ることが重要です。評価されるためには何が必要なのかをきちんと考えて、デザイン面での多角性だけでなく、それが仕事になるというバックボーンも考えながら取り組んでいってください。」
その後の質問の行列にも丁寧にお答えくださりました。
長谷川講師、ありがとうございました!

text by 編集&ライティングコース
高坂明日香

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