PLEX PROGRAM REPORTプレックスプログラムレポート

テーマ:「つながりを活かして、唯一無二の仕事をつくる」 

Kabin Co.,Ltd代表/コミュニティマネージャー

河野 春菜 氏Haruna Kawano

PROFILE
大手オフィス家具メーカー、カフェのプロデュース・運営会社を経て、2019年5月に一人会社「Kabin Co.,Ltd.」を設立。働く人にとって居心地の良い空間を追求し、企業が抱える多種多様な課題と向き合い、新たな価値の創出を目指す。代表的な事例は、ソニーシティみなとみらいと品川にある「PORT」企画運営、丸の内にある「point 0」企画運営。その他、BLACK STAR LABELコミュニティ設計、渋谷QWSコミュニケーターなど。

第1部:講義「つながりを活かして、唯一無二の仕事をつくる」

講義1

今回のプレックスプログラムの講師は、当校修了生で、Kabin代表/コミュニティマネージャーの河野春菜さんです。テーマは「つながりを活かして唯一無二の仕事を創る」。修了生ならではの目線で、新しいキャリアのつくり方についてお話しいただきます。また、リスクを最小限にしながら独立した働き方を実現するコツや、クライアントとの関係作りなどについても伺っていきます。

講義2

河野さんのキャリアは、新卒でオフィス家具メーカーに就職したところからスタートしました。その後退職して会社を設立するまでの間、様々な働き方を経験されたといいます。「フリーランスの業務委託という形でいろいろなプロジェクトに関わってみたり、スタートアップに近い会社に業務委託という形で入ってみたり、時にはちょっと正社員みたいなこともやってみたり、いろんな働き方を1年ほどしつつ、自分のやりたい方向性を掴んでいきました。」

講義3

河野さんが現在コミュニティマネージャーとして行っている『場をデザインする』とは、どのようなことなのでしょうか。河野さんは「その場所に文化が育まれ、行き交う一人一人の人生に笑顔をふやす仕事」と定義されています。「空間」「人」「体験」の3つの軸があり、これらの3つの軸をより良い方向に向かわせる関係作りをサポートすることを目指しているとおっしゃいます。

講義4

コミュニティマネジメントは「場のコンセプト」をつくることから始まると話す河野さん。ハイセンス・ハイクオリティなものだけが場をつくるのではなく、コンセプトがあってこそデザインが活き、人をつなげ、営みが生まれます。コミュニティマネジメントという仕事を通して、ファシリテーションやインタビュースキル、ライティングやUX/UIに至るまで様々なスキルを磨くことができるそうです。

第2部:ワークショップ「強みを掛け合わせ新しい事業を考える」

ワークショップ1

後半はワークショップへ移ります。今回のお題は「強みを掛け合わせ新しい事業を考える」です。誰もがクリエイターとして活躍できる時代だからこそ、これまでに得たスキルを捉え直し、人とのつながりを活かした仕事を生み出していくことを目的としています。まずは2~3人でグループをつくり、グループメンバーと自分の強みを共有します。そしてそれらを掛け合わせることで生まれる唯一無二の仕事を探っていきます。

ワークショップ2

学生が発表したアイデアを何点か紹介します。1つ目は「面倒臭いことが嫌い」と「学芸員」というそれぞれの強みを活かし、「不自由美術館をつくる」というアイデア。不自由を突き詰めた美術館をつくり、そこから新しい視点やコミュニケーションを生むアイデアを発表しました。次のチームはお互いが音楽好きである点を活かし、音楽ライブに関するアプリを発表。ライブ空間のリアルとバーチャルの橋渡しをするサービスを提案しました。

ワークショップ3

次は学生と社会人の掛け合わせのチームです。イベント運営に長ける学生と、社会人として培った営業スキルを掛け合わせ、地方の芸能を継承するための若者と職人をマッチングするサービスを発表しました。その他のチームも、人とのつながりを活かした個性豊かな仕事を提案していました。

総評

本日はコミュニティマネジメントという目に見えない仕事について考え、多くの気付きを得た時間となりました。最後には、学生から寄せられた独立についての質問にも答えていただき、自らのキャリアを再考した学生も多かったのではないでしょうか。河野さん、本日はありがとうございました。