PLEX PROGRAM REPORTプレックスプログラムレポート

テーマ:「デザインの温度」

クリエイティブディレクター

石井 大介 氏Daisuke Ishii

その他担当講師
CHINATSU 氏
PROFILE
国内の大学卒業後、アパレルブランドの立ち上げに参加。その後渡米し、Parsons The New School for Design 修士課程に於いてデザインを学ぶ。ニューヨークの制作会社にて映像・グラフィックの制作に携わり、帰国後日本の教育機関にてデザイン開発業務を担当。現在は、インテリアやアパレル企業などのデザイン・コンサルティングを行っている。現在、東京デザインプレックス研究所「デザインストラテジー専攻」担当講師。 プレックスプログラム講師実績 2012.08.05 過去から紡ぐデザイン 2013.05.15 共感覚とデザインマーケティング 2015.06.28 SOMETHING NOT OLD, SOMETHING NOT NEW ~温故知新~

第1部:講義「デザインの温度」

講義1

本日のプレックスプログラムは、ヘアスタイリストのCHINATSUさんとクリエイティブディレクター石井大介さんをお迎えして行っていきます。アメリカ留学時代からの旧友であるお二人による今回のプレックスプログラム、どんな内容になるのでしょうか。まずはCHINATSUさんの今に至るまでの話をしていただきます。美容学校卒業後、「パリコレに携われるかも?」の一点のみで上京し、後の師匠になる方との衝撃的な出会いをしたエピソードでは、会場から笑いとどよめきが巻き起こります。

講義2

そして、その師匠のアシスタントになった直後から決めていた3つのこと① 渡米の資金を貯める②師匠にとって必要なアシスタントになる③サロンで技術者になる、をわずか2年半で成し遂げ、トランク一つでCHINATSU さんはアメリカに行きます。アメリカ生まれのCHINATSUさんからすると、渡米は故郷に帰って仕事をする気持ちだったそうです。渡米後、日本人で群れないことと下手でも英語で話しかけることを果敢に行うことで、数年経ち徐々に仕事の信頼を勝ち取っていきます。

講義3

続いてアメリカ時代の作品を解説いただく中で、転機となった作品にはCHINATSUさんの真骨頂である「花」がヘアに飾られていました。これはカメラマンに「好きにやっていいよ」と言われた時の作品だそうで、この作品は世界的なコンテストで金賞を受賞することになります。この受賞を機に日本の市場でも勝負していくことを決め、日本とアメリカの往復の日々が始まります。石井さんとも共通体験であるアメリカと日本の制作プロセスや価値観の違いについても、かなり深く突っ込んだ所までお話いただきました。

講義4

お二人が大切にしていることで共通しているものは、アメリカで培った提案バランスの大切さだそうです。競争が激しいアメリカだと主張しないと存在を忘れられてしまいます。でも、そのスタンスで日本で主張しすぎると周りと軋轢が生まれてしまいます。そんな上手くいかない経験を何度もし、落ち込んだこともたくさんあったそうです。今は提案のバランスを大切にすることで、アメリカ時代の作品テイストに近づきつつあるとお話していただきました。大いに盛り上がり、会場の温度もかなり高くなったところで前半終了です。

第2部:ワークショップ「共感覚トレーニング」

ワークショップ1

今回は事前に『A DEGREE FAHRENHEIT2014 AW「11323.4 °F(6000K)」TOKYOCollection runway』の映像を鑑賞して、感覚的に各自が捉えたものをビジュアル化するというワークショップです。今回、このワークショップにあたり、CHINATSU さんからランウェイ参加のご招待を殆どの受講生にいただいており、直に会場で鑑賞できた受講生はその時の空気感を思い出してのワークショップになります。

ワークショップ2

まず最初に、Runway に参加した方に感想を話してもらいました。「ただただ美しくって、時間があっという間に経ってしまいました」「ファッションショーは服以外のこともとっても重要なんだな~と思いました」。特に初めてショーを観た方は感動が大きかったようです。そして作業開始です。ショーの様子を思い出しながらギリギリまで作業しない人、完成形を想いながら集中して作業している人、様々です。そしてあっという間に時間が経ち、作業は終了し、今度は5 ~ 6人が輪になりプレゼンテーションを行っていきます。

ワークショップ3

全員が一通り説明し終えた後は、皆の前で発表していきます。いくつかを紹介します。「光と影と風を感じました。なので、光と影のみの空間にある風のカーテンを作ってみました」「髪の揺れ具合や服のドレープから会場は無風なのに、風を感じながら観てました。なので、風による揺れを表現しました」「自身がこのショーに携わるとしたならば・・・と考えてクラッチバックを作ってみました」「曇空が浮かんで来たので、雲を作ってみました」「流動的な儚さを感じたので、様々な色の絵の具を多めの水で描いてみました」など、各自捉え方は様々です。

総評

そしてCHINATSUさんの講評です。「今回、髪を通じて最も表現したのは“ 不安定な雲”なんです。そしてその雲の周りの風や光、自然なんです。それを皆さんが感じていただいことが素直に本当に嬉しいです。口にヘルペスできる位頑張って良かったです(笑)。ありがとうございます」。石井さんからは「今回CHINATSU から皆さんに感じとってもらいたいのは“ 温度とか熱量” なんだろうと思います。感情の熱量を記憶し、クリエーションに挑む、そんな方法も取り入れてみることも何かを突破する方法になると思います」。