PROFESSIONAL MESSAGEプロフェッショナルメッセージ

前田 高志Takashi Maeda

PROFILE
1977年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒業後、任天堂株式会社へ入社。約15年間、広告販促用のグラフィックデザインに携わった後、2016年に独立。株式会社NASUを設立。「デザインで成す」を掲げ、企業のデザイン経営に注力。クリエイターコミュニティ「マエデ(前田デザイン室)」主宰。著者に『勝てるデザイン』(幻冬舎、2021年)、『鬼フィードバック デザインのチカラは“ダメ出し”で育つ』(MdN、2021年)、NASUとして『デザイナーが最初の3年間で身につけるチカラ』(ソシム、2024年)がある。「遊び心」のあるデザインが強み。東京デザインプレックス研究所プレックスプログラム登壇。

デザイナーは作るだけではなくて、“ 変えることができる” 職業。

自分は子供の頃、鳥山明さんに影響を受けて漫画家になりたいと思っていました。そして、芸大に入ってしばらくは漫画家になるつもりでいたのですが、ストーリーを考えたりキャラクターの名前を考えたりすることが、どうも苦手だということに気づいたのです。自分の妄想が人に知られるのが恥ずかしかったんですね。でも、グラフィックデザインは制作工程が論理的でコンセプチュアル。「クライアントの課題解決」という目的があって作るということが、自分にしっくりハマって楽しいと思えました。

何にせよ、大学時代はとにかく表現することを楽しんでいたという記憶がありますね。写真部を作って活動したり、友達とグループ展を開いたり...なるべく色々なものづくりを体験しようと、常に言い出しっぺになり仲間を集めていました。今思うと、このように学校の課題以外で楽しみながら活動していたことが、クリエイターコミュニティ「マエデ(前田デザイン室)」の原型となっています。デザイナーとして社会に出て、日々の仕事に追われて仕事以外のアイデアを形にできずに、閉塞感に苛まれるようなことが自分にもありました。大学で純粋に楽しみながらものづくりをしていた感覚を取り戻し、その楽しさを多くの人と共有したいという考えから生まれたマエデ。そのほかにSNS投稿や本の出版など、クライアントワーク以外の活動もたくさん行っていますが、その根底には、「デザインは面白い」ということをたくさんの人に知ってほしい、デザイナーは「孤独で大変」なのではなく「皆でわいわい楽しく」やっていく仕事だと発信したい、という気持ちがあります。

昔より今の方が、デザイン職に就きやすくなっているのではないかと思います。情報収集もスキル習得もネットで簡単にできる時代になっていますからね。同じように、デザイナーから他の道にも簡単に行けてしまうので、少しだけかじって辞めてしまう人も多いように思います。少し辛いことがあっても、楽しく乗り越えてほしいですね。デザインの仕事に就いて、心から楽しいと実感するまでに、少し時間がかかります。デザインをやるからには目標達成しなければいけないし、楽しんでやるには大喜利に臨むつもりで向き合うと良いでしょう。

デザイナーは作るだけではなくて、"変えることができる"職業。企業の業績や社長の人生も変えて、感謝してもらえる...考えるだけでも痛快じゃないですか?ぜひ、デザインを楽しみ続け、困難も楽しく乗り越えてほしいです。

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