PLEX PROGRAM REPORT

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「クリエイティブ×ストラデジー×テクノロジー」

2019年9月20日(金)

AID-DCC Inc.代表

富永 幸宏 氏

Yukihiro Tominaga

<PROFILE>

1965年京都生まれ。大阪芸術大学客員教授、1990年三喜商事株式会社入社、2000年に現エイド・ディーシーシーを創業。「クリエイティブ×ストラテジー×テクノロジー」でブランド・エクスペリエンスを創出することを得意とする。2010年より7年連続カンヌライオンズ受賞はじめ、2011年第9回TIAA「ベストプロダクション」受賞。個人の主な仕事としてP.T.アメルタインダ大塚「ポカリスエット POCARI CROSS RUN」キャンペーンでは、シンガポール国内のセブンイレブン全店(約550店舗)にBeaconを設置するデジタル・アクティベーションを実施し2015 SINGAPORE EFFIE AWARDS GOLDを受賞。その他、P.T.アメルタインダ大塚 スカブミ工場 工場見学施設「EXPLORION」、江崎グリコ株式会社「アソビグリコApp.」、「カフェオーレの日/伝説のあの蛇口がやってきた!」など多数。

富永 幸宏 氏

第1部:講義「クリエイティブ×ストラデジー×テクノロジー」

講義1

本日のプレックスプログラムは、今回が初のご登壇となるAID-DCC代表の富永幸宏さんをお迎えしてお送りします。AID-DCCは国内外で多数のアワードを獲得している、WEBを中心としたクリエイティブエージェンシーです。その獲得数は日本でもトップクラス、本日はそんなAID-DCCを率いる富永さんにアワードを獲得する、つまり注目され、人の頭に残るデジタルコンテンツの作り方や、デジタルを用いたコンシューマービジネス・ブランドエクスペリエンス(ブランド体験)の面白さについて、AID-DCCの制作事例を交えながらお話をしていただきます。それでは富永さん、よろしくお願いします。

講義2

カンヌ広告賞8年連続受賞という実績を持つAID-DCC。富永さん曰く、広告賞は”正しい”のだそうです。富永さんがある広告賞で審査員をした際、1日で1000ほどの映像作品を見たそうで、その中でも印象の強い作品が最後まで残るのだそうです。多くの映像を見た上で、名前を言われて「あの映像だ」と思い出せるものでないと賞は取れないのだと言います。AID-DCCがカンヌ広告賞を受賞した「GIGA SELFIE」では、言語に依存しない、誰が見てもわかる映像で、更に覚えやすいことがアワードにつながりました。記憶に残るというのは、様々なジャンルで重要なことで、それを見抜いて評価してくれる広告賞は”正しい”のですね。

講義3

次に、ブランドエクスペリエンスについてです。AID-DCCが作るブランドエクスペリエンスとは、「何度も体験したいと思わせる仕組み」のこと。富永さんがこれを考える際、持ち帰れる“体験“を作るように考えているそうです。人に伝えたくなる”ストーリー”があって、そこに記憶に残る”体験”が結びつくと、誰かにそれを伝えたくなる。これが富永さんの考える持ち帰れる”体験”なのだそうです。それが結果として、また行きたい、他の人にも体験して欲しいという「シェア&リピート」につながりサイクル化し、「何度も体験したいと思わせる仕組み」となるのだと言います。

講義4

ブランド体験の参考事例として、ジャカルタのポカリスエット工場の工場見学を紹介いただきました。タブレットでクイズ形式で学び、その際に入力してもらったデータで各自の名前をポカリスエットのロゴに似せた缶バッチを配布。自分の名前の入った缶バッチは大事にされ、付けてもらえば広告にもなります。アトラクションはあえて室温を高めに設定し、汗をかいてもらった後でポカリスエットを美味しく飲んでもらう。そうすることで特に「美味しい」という思い出が残ります。また、タブレットで入力したデータやクイズの答えが今後の研究やマーケティングにも生きてきます。こうした戦略的なところも含めて、狙って仕組みを作っていくのだそうです。これで前半の講義は終了です。

第2部:ワークショップ「地域活性をさせるデジタルエンタメ事業を考える」

ワークショップ1

後半はワークショップです。全国的に過疎化の波が押し寄せる中、沖縄も例外ではありません。しかし最近、観光など様々な点で沖縄は盛り上がりを見せています。そんな沖縄で地域活性をさせるデジタルエンタメ事業を考えましょう。本来は(1)現状整理 (2)インサイト (3)施策アイデア の順で考えるところを、今回は逆に(3)から考えて行きます。自分がしたいことから考え、そこから(1)(2)を導き出す。意外とその方が早く答えが出ることも多いそうです。なにより、自分がやりたいことなので気持ちが入るのだといいます。学生たちにはグループに分かれて案を出し合ってもらいます。どのようなアイデアが出てくるのでしょうか。

ワークショップ2

学生たちのアイデアからいくつかご紹介します。沖縄全体をゲーム会場にしようという案が2グループから上がりました。1つはポケモンGOのようなアプリとのコラボで、行く先々でアトラクションも楽しめる。もう1つはオリジナルのアプリで、観光地に隠された文字をARで探し、文字が集まったら地域の飲食店で1品サービスのような景品をプレゼントするというものです。どちらも人が集まる本土から集まりづらい島々に人を誘導でき、滞在日数も伸ばせるという企画です。富永さんからは、その中でどうやってお金を使ってもらうか、また、アプリを導入してもらうきっかけをどこに作るかを考えるともっと面白くなるとのアドバイスをいただきました。

ワークショップ3

「沖縄のあまり知られていない、面白い場所や一般人を名物化できる口コミアプリ」という案も出ました。富永さんからは、自由な時間がたくさんある人たちに対して、その余っている時間を使う手段を沖縄だけで作ると、沖縄がちょっと特別なものにできるかもしれないとのこと。また、地域活性をするためには、住民が働く場を作るというのは重要なので、紹介された人や紹介した人にお金が入る仕組みなどを加えていけば、サービス化も目指せそうだと助言をいただきました。他にも「海中でARの魚を前に結婚式」や「バーチャル移住」というような、様々な案が上がりました。

総評

最後に富永さんから総評です。「企画の作り方、考え方としては自分がやりたいことを一番に優先すべきだなと思ってます。そこから、その中で必要なもの、それに対してのインサイトを考えていけば企画はできます。尚且つ企画を考える時、双方にメリットがあるような企画にしていくというのが大事な考えだと思います。なので皆さん、何か作っていく時には、物事を順序立てて考えて、それを逆転させて、自分がしたいこと優先にやれることを考えるっていうのも一つの考え方だと思うので、それを参考にしていただければと思います」富永さん、ありがとうございました!

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