PLEX PROGRAM REPORT

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「空間プロデュースとクリエイティブディレクション」

2019年7月20日(土)

クリエイティブディレクター

菅野 慶太 氏

Keita Kanno

<PROFILE>

空間プロデュース会社CUBE、ブランディング会社TRANSIT GENERAL OFFICEを経て独立。小規模~大規模商業施設のプロデュースやコンセプトワーク、ブランディング、クリエイティブディレクション、インテリアやグラフィック、WEBなどのデザインワークや、プロモーション戦略、コミュニケーションデザインや販促企画など、多岐に渡り活動中。最近の実績として、六本木ヒルズ森美術館のミュージアムレストランとミュージアムカフェ、ブッチャーラボ併設のミートレストランなど。現在進行中案件として、大手町ツインタワービルのリニューアルPJT、外務省LONDONプロジェクト、大手チェーンスーパーの新業態開発など。株式会社ソルト・コンソーシアム社外取締役株式会社、アンド・ザ社外取締役

菅野 慶太 氏

第1部:講義「空間プロデュースとクリエイティブディレクション」

講義1

本日のプレックスプログラムは、今回が5回目のご登壇となるブランディング/クリエイティブディレクターの菅野慶太さんをお迎えしてお送りします。専門店ブームの走りであるフレンチフライ専門店や、ミルクにこだわったコーヒースタンドなど、「こんな切り口があったのか!」と驚いてしまうようなクリエイティブを生み出す菅野さん。そんな菅野さんのお仕事の事例を紹介していただき、合わせて成功までのプロセスや考え方を教えていただきます。また、ブランディングとはなんなのか、こちらも細分化して詳しくご教授いただきます。それでは菅野さん、よろしくお願いします。

講義2

まず、菅野さんのお仕事の紹介です。ミルクを主役にしたコーヒー専門店「COFFEEMILK」では、”ユニークなコーヒーショップ”をとオーダーを頂いたそうです。豆や焙煎にこだわるのは需要はあるがやり尽くされている、どこでユニーク性を出そうかと思案したところ「そもそもラテってなんでミルクやソイミルクだけなんだ?」という疑問が生まれました。そこから「COFFEEMILK」が生まれました。「他のことをなぞるだけじゃなくて、インスパイアやオマージュと言えるぐらいに、ユニーク性を考えてインストールする」リクエストに対して上をいく、自分のオリジナルなユニーク性を入れて昇華させることが重要だそうです。

講義3

次に、空間プロデュースについてのお話です。一昔前のプロデュースは、オープン前に仕事をし報酬をもらい、それで終わりだった。今のプロデュースは、最も大事なオープン後をしっかりフォローできる”ブランディング”を含まなければならないのだと言います。「優秀なインテリアデザイナーは、インテリアデザインだけではなくて商売のこともわかってるんですよ。レイアウトによって生まれる結果や機会損失を理解し、付加価値を併せて提案できる」単純にデザインだけするのではなく、そもそも何のためにデザインするのかをちゃんと考えないと、ただそれだけで終わってしまうのですね。

講義4

では、ブランディングとはそもそもなんなのでしょうか?ブランディングとは、”商品や施設といったコンテンツ価値を最大化(ブランド)し、その良質なコンテンツを然るべきターゲットにしっかりとコミュニケーションし続けること”。コミュニケーションとしてクリエイティブを作っていくのですが、SNS等により一般人であるクライアントも多くの情報を持つようになった今、クリエイティブはさらに難しくなっています。クライアントに目新しいものを提案するためには、その10倍以上の情報を持たなければならないのだと菅野さんは言います。学生たちがブランディング・プロデュースについて理解が深まったところで、前半の講義は終了です。

第2部:ワークショップ「空間プロデュースを企画してみる」

ワークショップ1

後半はワークショップです。課題は「あるオーナーから物件の有効活用の依頼が来ました、与件として、立地:表参道、坪数:1階60坪、業態によって必要であれば2階60坪も利用可能 経済条件:ビルを所有しているため家賃は掛からないが、賃貸とした場合は坪/3~4万円(ただ、所有しているがゆえにできるものをやりたがっている、経済条件ありきではない) 不二家のようなスイーツショップを主に地方で多店舗展開しており、そのフラッグシップショップを検討。他にいい企画があれば、それを採用したい。来年春くらいにOPEN。」です。学生たちにはグループに分かれてそれぞれ企画を考えてもらいます。どんな企画が出てくるのでしょうか。

ワークショップ2

学生たちの考えた企画をいくつかご紹介します。「スパイスを使ったヘルシースイーツの店」、「ひとつの空間を昼と夜のスペースに分けたスイーツバー」、「職人にガチ修行を受ける和菓子店」。表参道という立地から、健康意識や流行に対する感度の高い人、外国人観光客に向けたサービスを提案するグループが多いようです。「自分でカスタマイズできるカップケーキショップ」は、”そもそもケーキとはなんのためにあるのか”から考え直し”特別感”を大事にしたそうです。ピュアでストレートなアプローチが考え方としてすごく正しく、ユニーク性やトレンドも押さえていると、菅野さんにも好評でした。

ワークショップ3

学生たちの発表を終えて、菅野さんから講評をいただきました。与件をあまり考えられていないグループが多く、特にスペースに関しては60坪を使いきれない業態が多かったようです。単一業態でなくとも、カフェ+αのように複数業態にすることもできますし、60坪全部を使わなくても仕切りを作れば空間は二つに分けられます。そうすれば残りのスペースを賃貸にすることもできます。「与件があるゆえに与件に縛られるってこともあれば、縛られない方がいいこともある。与件を基軸にしないとそれすらもわからないんですよ。それぐらい与件が大事だってことです」とにかく与件を整理して考えることが重要なのですね。

総評

最後に菅野さんから学生たちにアドバイスです。今後デザイナーとして仕事をする上で、マインドとして持つべきものを教えていただきました。「”好奇心と純真さ”。ファッションでありカルチャーであり、グルメであり、アートであり、ジャンルレスにあらゆる人の心を動かす事象に対して興味を抱いてください。これには好奇心がないと、なかなか原動力に繋がらない。あとはそれを見たときにピュアさが必要です。斜に構えて見るというのも大事なんですけど、ますばピュアに自分の中で受け止めてほしいんです」菅野さん、本日は有難うございました!

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