PROFESSIONAL MESSAGEプロフェッショナルメッセージ

千原 徹也Tetsuya Chihara

PROFILE
1975年京都府生まれ。デザインオフィス「株式会社れもんらいふ」代表。広告、ファッションブランディング、CDジャケット、装丁、雑誌エディトリアル、WEB、映像など、デザインするジャンルは様々。近作では、桑田佳祐アルバム「がらくた」のアートディレクション、関ジャニ∞アルバム「ジャム」のアートディレクション、ウンナナクールのブランディング、小泉今日子の35周年ベストアルバム、装苑の表紙、NHKガッテン!ロゴ、adidas Originalsの店舗などが知られている。東京デザインプレックス研究所プレックスプログラム登壇。

喋れる人になって、表現力を磨いて。

学生の頃は映画が好きで、将来何かしら関わりたいと思ってました。ゴダールとか市川昆みたいな、色や構図などにこだわりが感じられる映画が好きでしたね。大学は美術系ではありませんでしたが、映画のサントラのジャケットのデザインに興味が湧いて、知り合いの紹介でデザイン事務所のアルバイトを始めました。当時はMacも操作できなかったし、専門知識も持っていないまま飛び込んだその事務所で、基本的なことを学んでいきました。将来のビジョンは、その時は特になかったですけどね。

ある時、ADC年鑑に掲載されている受賞作品を見て、衝撃を受けたことがきっかけになり、大阪から東京に移って活動しようと決心しました。博報堂を含め職場を転々としますが、自分のスタイルが見えてきたのは、ファッションのアートディレクションを専門とするストイックという会社に入ってからだと思います。そこで、業界のことをいろいろ学んでいるうちに、ファッションとグラフィックの間をとったら、自分らしい面白いものができるんじゃないか、ということに気がついたんです。ストイックでは、圧倒的なプレゼンテクニックも学びましたね。プレゼンシートを100ページ近く作るんですよ。それも、映画っぽく、ドラマチックに。相手を「おお!」と言わせるそのノウハウは、独立してからも活かしていきました。

これからデザイン業界を目指す方は、まず世の中のことを知ることから始めてみては、と思います。絵がうまくなりたいとか、技術を身につけないと、とか、そういうことに捕らわれて、表現することだけにどっぷり浸かってしまうと、世の中とのギャップを感じて耐えられなくなってしまいますからね。あとは、喋れるようになること。自分が喋ることで、相手の反応が返ってきますが、それで気づくことがたくさんあるんですよね。コミュニケーションできないと、実は、絵もうまくならないものです。反対に、コミュニケーションできる人はどんどん表現力が磨かれていく。たくさんの人と出会い、積極的にコミュニケーションをとってみることで、人に教えるスキルや任せるスキルも上達します。是非、“喋れる人”になってください。