PROFESSIONAL MESSAGEプロフェッショナルメッセージ

横石 崇Takashi Yokoishi

PROFILE
多摩美術大学卒。広告会社、人材会社を経て、2016年に&Co.(株式会社アンドコー)を設立。ブランド開発やコミュニケーション戦略、組織変革・社会変革を中心としたプロジェクトプロデューサー。毎年11月に開催している、アジア最大規模の働き方の祭典「Tokyo Work Design Week」では3万人の動員に成功。鎌倉のコレクティブオフィス「北条SANCI」支配人。渋谷区発の起業家育成機関「渋谷スタートアップ大学(SSU)」、集合本屋「渋谷◯◯書店」などをプロデュース。代官山ロータリークラブ会員。法政大学兼任講師。米国ビジネス誌「FAST COMPANY」をはじめ国内外でアワード受賞。著書に『自己紹介2.0』(KADOKAWA)、『これからの僕らの働き方』(早川書房)がある。東京デザインプレックス研究所プレックスプログラム登壇。

クリエイターとして、自分だけの働き方をみつけてほしい。

へそ曲がりなだけかもしれませんが、みんなが行くようなところには行きたくないんです。高校時代、ヒップホップにはまってダンスをやっていたのですが、みんなが出場するような大会や人気のテレビ番組に出るんじゃなくて、あくまでストリートでダンスをやってることに妙なこだわりを持っていました。そんな自分に、塾の先生が「普通の大学に行ってもつまらないんじゃないか」と、美大進学を勧めてくれたのがきっかけで、一般大学ではなく美大へ入学。卒業後も、美大生が多く行くような広告代理店やデザイン会社には興味がなくて。メディアアートにのめり込んでいたので、その企画制作を行う会社に入社しました。マルチメディア部と呼ばれるところに所属し、本流とは程遠い小さな部門でした。変わった大人ばかりで楽しかったですよ。

そこから転職をして、20代でクリエイティブ会社の役員を任せられていたのですが、転機になったのは、東日本大震災。当時、1千万人が閲覧するWebメディアを運営していたにも関わらず、あの状況の中で何もできなかったことに無力さを感じました。仕事に対し前向きになれず何も手がつかない。ポキっと気持ちが折れてしまったんです。すぐに会社を辞め、家も解約して、バックパックひとつで世界一周。そこで世界中の人々の働き方に触れ、旅先で働く人のイキイキした姿や、同じように旅をしている人たちの出会いによって元気付けられました。日本に戻って企画したのが、新しい働き方のアイデアやヒントを対話によって生み出す「TOKYO WORK DESIGN WEEK」という働き方のフェスです。今は1億クリエイター時代。誰もがクリエイターになれます。その中でプロフェッショナルとして生き残るために、自分だけの働き方やキャリアを見つけることができるか。絵を描くことも、言葉で伝えることも、お金のことも、スケジュール管理も、全てを背負っていくインディペンデントな覚悟が問われるでしょう。そして、自立とはひとつではなく、いろいろな人や所に依存することでもあります。だから、学んだり、つながったりすることができる学校やイベントなどの場所に出かけていって、好奇心を持ってすべてを吸収してほしいですね。回り道も茨の道も、振り返れば楽しいものです。