PLEX PROGRAM REPORTプレックスプログラムレポート

テーマ:「”エシカルクリエイティブ”を考える」 

株式会社THINKSTHINKS代表/プロジェクトマネジャー

島野 麻里 氏Mari Shimano

PROFILE
株式会社THINKSTHINKS 代表取締役、プロジェクトマネジャー、中小企業診断士。ブライダル、クリエイティブエージェンシー、ジュエリーブランド等にて、セールス、デザイン、プロジェクトマネジメント、ブランディング、PR、マーケティング経験を積んだ後、2018年独立。中小企業診断士登録。https://www.thinksthinks.com/

第1部:講義「”エシカルクリエイティブ”を考える」

講義1

本日のプレックスプログラムは、株式会社THINKSTHINKS代表の島野麻里さんにお越しいただきました。今回は特別に、同社のクリエイティブディレクター兼スタイリストの石井なお子さんもご同席です。「私はこれまでの広告の業界でプロジェクトマネジャーとして制作進行管理等に携わってきました。現場で巨大なセットを作って、その日のうちに廃棄するということを目の当たりにする中で、廃棄まで考えたクリエイティブは出来ないのか?と考えるようになりました」と島野さんのご挨拶からスタートです。

講義2

「株式会社THINKSTHINKSは、『ひとによいこと、環境によいこと、社会によいことをデザインコンシャスに』をスローガンに、エシカルクリエイティブエージェンシーとしてお仕事をさせていただいております」と石井さん。石井さんはファッションやインテリアのスタイリスト・ウエディングも含む広告などを担当する中で、ファッション業界の大量に作る・残る・捨てるというサイクルを目の当たりにして戸惑いを感じたことをきっかけに、2016年に原点となるTHINKSをスタートさせたといいます。

講義3

そんなお2人に本日お話しいただくテーマは「”エシカルクリエイティブ”を考える」です。まずはそれらを考える背景として、マウイ島のラハイナの山火事や、温暖化の海面上昇のために沈んでいく国、被覆肥料のプラスチック殻など、数多くの環境問題についてスライド画像とともに解説していただきました。さらに「これらの問題を引き起こした原因に、クリエイターは関与しているのか?」という問いに対し、学生たちも身近な事例を挙げながら考えを巡らせていきます。

講義4

続いてご紹介いただいたのは、印刷やオーガニック関連の認証マークです。これらのマークがあることで、インクや紙の成分が何からリサイクルされているのかが分かるといいます。「このマークを、エシカルについて考えるキッカケにするといいかもしれません。私たちはエシカルを『良い関係性を構築する』と理解しており、『人』と『社会』と『自然環境』とが良い関係性が築けるようなモノづくりを大切にしています」とクリエイティブに対する考え方を説いていただきました。

講義5

「覚悟のあるモノづくりは仕事への愛が深まる」というエピソードとともにご紹介いただいたのは、山梨県小菅村で行われた「エシカルウエディング」です。ウェディングのコンセプトは「村まるごと、ふたりの舞台に」。新郎新婦の二人に新たなふるさとができるような価値を提供したい!と考えられたそうで、限界集落700人の村の関係も強化できる企画です。ウェディングの装飾には山の間伐材を活用するなど、「人」と「社会」と「自然環境」すべてを考慮されていることが分かります。

第2部:ワークショップ「エシカルクリエイティブの考え方で社会課題の解決方法を考える」

ワークショップ1

後半はワークショップを行います。本日の課題は、「エシカルクリエイティブの考え方で社会課題の解決方法を考える」です。まずはどの社会課題に注目するかを決め、それを解決するための方法と、実在するメディアを使ってどのようにPRするかを考えていきます。本日学んだエシカルの考え方で課題解決のゴールを目指すことがポイントです。学生からは【破れやすく使い捨てになりがちなストッキング】【孤立している子供】【食料自給率】【過剰包装】【不登校】などの課題が見つかったようです。

ワークショップ2

島野さんより「今日のワークショップはしっかり課題について考えてもらいたいので、時間いっぱいまで考えてみてください。取りまとめたアイデアはチームごとに提出していただき、後日私たちの方でコメントを入れたものをフィードバックさせていただきます。たっぷりチームで話し合ってみてください!」とお声がけいただきました。各チーム70分をフルに使って企画を考えることができ、多くのアイデアが生まれました。

総評

最後にお二人より総評をいただきました。 島野さん「デザインをする時はPCに向かって作業に没頭することが多いと思うのですが、今日のワークショップのように話をする時間を積極的に取ることが、自分たちのクリエイティブに繋がっていくことを発見していただけたら嬉しく思います。」 石井さん「異業種、他ジャンルのメンバーと話をすると新しい発見やヒントが見つかり、とても私自身勉強になりました。」 島野さんと石井さん、本日はありがとうございました。