PLEX PROGRAM REPORTプレックスプログラムレポート

テーマ:「VI(ヴィジュアルアイデンティティ)が果たす役割」

アートディレクター

木住野 彰悟 氏Syogo Kishino

PROFILE
アートディレクター。東京生まれ、廣村デザイン事務所で廣村正彰氏に師事、2007年にグラフィクデザイン事務所6D設立。企業や商品のブランディングを中心に、ロゴ、パッケージ、サイン計画など多岐に渡り活動。主な仕事に、キリン「HomeTap」アートディレクション、パナホーム「atim」ブランディング、伊勢「ゑびや」ブランディング、サントリーの愛鳥活動「LineoflifeProject」アートディレクション、新宿新南口「NEWoMan」・「LUMINE0」サイン計画、渋谷「HMV&BOOKS」VI計画、常陽銀行企業広告、三井不動産「柏の葉スマートシティ」サイン計画など。主な受賞に、カンヌライオンズ、D&AD、oneshow、アジアデザイン賞、サインデザイン賞、ADC賞、JAGDA賞他国内外多数。2016年D&ADデザイン部門審査員、2017年グッドデザイン賞審査員。現在、東京工芸大学芸術学部デザイン学科の准教授を務める。

第1部:講義「V I ( ヴィジュアルアイデンティティ) が果たす役割」

講義1

今回のプレックスプログラムは初の登壇となるアートディレクターの木住野彰悟さんです。皆さんが一度は目にしたことのあるデザインを数多く手掛けており、その活躍の場は多岐に広がっています。今回はそんな木住野さんのお仕事であるアートディレクションについて、そしてブランディングの中心となるVI(ヴィジュアルアイデンティティ)についても詳しくお話ししていただきます。

講義2

そもそもアートディレクションとは?木住野さんは問題点や疑問点を見つけ、それをどうやって解決するか、その解決までの道筋を考える事だと言います。また、クライアントからの依頼(お題)をどう捉えるかがすごく重要で、あるべき姿を想像できるかできないかで能力の差が生まれるとのこと。これまで多くの経験をされてきた木住野さんだからこそ言葉に説得力があります。「あるべき姿が見えていれば表現すべきものとそのアイデアは自ずと出てきます。まずは立ち位置を明確にすることで、適切なアイデア、完成までの道筋が見えてくると僕は思います。」

講義3

続いての話題はVIへ。前述のとおり、VIとはヴィジュアルアイデンティティの略語で、一般的には企業のコンセプトやブランドをヴィジュアルで表現した全てを指し、ブランディングをする上で非常に重要なデザインの要素であると木住野さんは言います。そんなVIについて、実際に木住野さんが手がけたお仕事を例にお話していただきました。まずは、2013年に手がけたJAマインズ多摩支店のVIについて。20周年というタイミングで建て替える支店の建築に伴うサイン計画を依頼されたのですが、ヒアリングをしていくとサイン自体の提案の様々な問題点が見つかったと言います。そこで木住野さんは、VIでその問題点を解決しようを考え、見事JAマインズ全体のブランディングを成功させます。

講義4

他にも、老舗問屋が新たに展開するブランドのVIや、練馬区桜台の銭湯のリニューアルVIなどを例に、ここでしか聞けない制作の裏側も交えて詳しく説明していただきました。「ヴィジュアルで個性を作っていく。しかしアイデンティティが何なのか、案件によって毎回状況は違います。そんな状況の中で、クライアントでさえはっきりとしていない完成形をカタチにすることがとても大切で、それこそがVIの役割であり、僕の仕事だと考えています。」

第2部:ワークショップ「三重県伊勢にある『ゑびや』のV I 計画」

ワークショップ1

後半はワークショップです。今回のテーマは「三重県伊勢にある「ゑびや」のVI計画」。伊勢は神宮参りをした人が地元の人々に神宮で受け取った「みやけ」を配ったことで、土産文化の発祥の地とも言われています。「ゑびや」はその地に100年以上の歴史を持つ、食堂兼お土産店です。今回はその「ゑびや」のロゴやデザインツールのリニューアル案を幾つか考え、デザインしていきます。前半の木住野さんのお話を参考にして、新たな「伊勢」と「ゑびや」を伝えるVIを生み出すことができるのでしょうか。

ワークショップ2

今回は事前に課題が出されていたので、しっかりと作り込んできた学生も数多く見受けられました。それではいくつか抜粋して紹介していきます。まずは伊勢海老の成長過程を色にあしらったロゴのアイデア。透明色や赤色など、その時の形態の色をうまくロゴへと変換させています。このアイデアに木住野さんは「発想は面白いと思いますが、伝えたい部分がちょっと不明確。もう少し分かりやすくして消費者の共感を得られるように考えてみてください。」とコメント。

ワークショップ3

続いての発表は、ゑびやの3つの要素、伊勢神宮・おもてなし・お食事処をイメージしたアイデア。『こだわりの味を心のおもてなしで提供する』をコンセプトに考えられたロゴやVIに、木住野さんからもお褒めの言葉をいただきました。他にも、お土産を家に持って帰った時に機能するように作り込まれたVI案や、お食事処とお土産屋を線画を用いてシンプルなディティールにこだわり表現したロゴで、VI展開しやすくしたアイデアなど木住野さんも目を引くような発表が次々と行われました。このワークショップを通してブランディングデザインについて、とてもいい勉強になったのではないでしょうか。

総評

続いての発表は、ゑびやの3つの要素、伊勢神宮・おもてなし・お食事処をイメージしたアイデア。『こだわりの味を心のおもてなしで提供する』をコンセプトに考えられたロゴやVIに、木住野さんからもお褒めの言葉をいただきました。他にも、お土産を家に持って帰った時に機能するように作り込まれたVI案や、お食事処とお土産屋を線画を用いてシンプルなディティールにこだわり表現したロゴで、VI展開しやすくしたアイデアなど木住野さんも目を引くような発表が次々と行われました。このワークショップを通してブランディングデザインについて、とてもいい勉強になったのではないでしょうか。