PLEX PROGRAM REPORTプレックスプログラムレポート

テーマ:「core value=行動指針」

パタゴニア サーフ東京ストアマネージャー

小川 透 氏Toru Ogawa

PROFILE
パタゴニア社
アメリカの登山用品、サーフィン用品、アウトドア用品、衣料品の製造販売を手掛けるメーカー、及びそのブランド名。環境に配慮する商品で知られており、環境問題に取り組むグループの助成を行っている。

育英工業高等専門学校 電気工学科卒業
株式会社シマノ、プリンスホテルを経て2000年パタゴニア入社

第1部:講義「core value=行動指針」

講義1

2回目のご登壇、本日のプレックスプログラムは、アウトドアウェア/スポーツウェアブランド、パタゴニアの皆さんにお越しいただきました。当校の受講生に特に関心が高い「ソーシャルデザイン」の分野で、パタゴニアという会社は注目されています。ソーシャルデザインに関心のある学生が多数参加しています。前回のワークショップとはまた違うものを今回は行うということで、受講生の皆さんも楽しみにしています。講義の冒頭で、まず「今まで買った中で一番お気に入りの服はどんな服?」というテーマで受講生通しで軽く意見交換をしてもらいました。意見交換の後、講義本編がスタートです。

講義2

パタゴニアのこれまでの歩みと、扱う製品、こだわりについてお話ししてくださいます。パタゴニアの製品には、原料、生産ライン、そこで働く人の労働環境などを、常に見直し改善し、行動していった歴史・ストーリーが存在します。最初にパタゴニアのターニングポイントとなったのは、ボストンの直営店オープン後、従業員のスタッフが体調不良を訴え始めたことでした。原因は店のストックにあったコットン製品。コットン製品はもともと農薬を多く使う製品で、そこから有毒物質が発生していたのです。これを機に製品の素材がどのように作られているかを調査し始めました。パタゴニア代表イヴォン・シュイナードは、コットン製品を1996年春までに全てオーガニックコットンに変えると宣言します。環境や社会に誠実に向き合う契機となりました。

講義3

アパレル製品が店頭に並ぶまでに、その製品の素材がどこで作られているかが追跡しにくいという現状の中、パタゴニアはそこを徹底的に明らかにします。本当にそれは安全なものか、クリーンなものかを全て明らかにした商品だけを提供するという強い想いがあります。ただ、サプライチェーン先にお金がないところもあります。その際はパタゴニアがそこに投資をし、ひとつの産業として成り立つようにするそうです。環境に対して誠実に正しいことをする、その産業を守るという意志と行動が、自社の製品に誇りをもつパタゴニアの皆さんの話す姿からも伺えます。素材と同じように、その製品を誰がどのように作っているか、作業に見合う賃金、労働環境をフェアに行えるような仕組みを築いています。その他にもたくさんの事例を紹介してくださいました。

講義4

ここでもう一度、最初に行った「今まで買った中で一番お気に入りの服はどんな服?」という意見交換を受講生にしてもらいました。講義を聞いた後で意見交換をすると、その持つ服の「ストーリー」が持つ人にとって大切な物であることに受講生自身も気づいたようです。パタゴニアの製品には強い意志と行動から生まれる「ストーリー」があります。パタゴニアのミッションである、「ビジネスを使って環境問題に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する。」という言葉に則って今も続くストーリーといえます。もともと存在する構造が良くないのであればそこをまず変えていくという姿勢や、お金を儲けるということは手段であり目的ではない、ビジネスとして成り立たせた上で環境と社会を変えていくという強い想いは、会場の受講生にも強く心に響いているようです。

第2部:ワークショップ「自分のコアバリューを発見する」

ワークショップ1

前半の講義でパタゴニアの想いや指針を十二分に感じた受講生のみなさん。後半のワークショップでは、自分自身の「core value」を考えてもらいます。パタゴニア社内でも、仕事や様々な活動を行う中で時には迷うことがあるそうです。そういった時にパタゴニアが掲げる「core value=行動指針」に立ち返って物事を判断すると話します。参加している受講生一人一人にも、こういったもの、自分のすごく大事にしている気持ちはいったい何か、自分を一度見つめ直すようなワークショップとなります。これまでの自分たちの歩んできた人生、生活を思い返しながら、早速皆さんに考えてもらいましょう。

ワークショップ2

ワークショップの流れは、まずは隣の人と一緒に語りながら考えていきます。自分の大切にしていることと他の人が大切にしていることを共有しながら、自身の考えを整理する作業とも言えます。その後、自分が一番大切にしている想いを1人ずつ紙に書いてもらいます。皆さんのそれぞれの想いが書かれた紙を集め、それらを壁一面に張り出していきます。皆さんがそれぞれを眺めながら、この言葉はどんな想いが込められているんだろうと考えを巡らせています。壁に貼ってもらったあとは、それぞれの想いを実際に話してもらいました。みなさんどんな想いを持っているのでしょうか。

ワークショップ3

まず最初に話してくれた受講生は、「自分はいるか、体温はあるか」という言葉を掲げました。自分が携わった仕事に、人の想い、体温が感じられるようなものでありたいという姿勢を持ちたいという意思が感じられます。「とにかく楽しむ!」と想いを語った別の受講生は、自分のもつハンデを自分にしかないものと捉え、様々な場面でも工夫をして楽しむことを第一に考えている、と話してくれました。他にも皆さんが書いた想い、言葉はどれも前向きな言葉が書かれており、何か行動を起こす時や判断をする時に背中を押してくれるようなものばかりでした。迷うことがあっても、こういったみなさんの「core value」が支えになって行動していることがわかります。

総評

今回のワークショップを終え、パタゴニアの皆さんからコメントを頂きました。「みなさんこの想いを考えた時に、自分のことを考えると同時にこういう未来にしたい、ということを対比して考えてもらえたと思います。こうありたいという未来と、そのために自分はこういるべきだということを常に思ってほしいです。」「お互い全然知らない人だけど、こういう想いが自分と重なる部分が必ずあります。その重なった部分がものすごく大事で、そこに人を動かす力が生まれます。ぜひ皆さん、ここに貼られた想いをみて、「あっこれ同じ考えを持っているな」という人と一緒に話してみて、そうすると次のアクションへつながると思うので、今日の機会にぜひアクションを起こしてみてください。」パタゴニアの皆さん、本日はありがとうございました!