PLEX PROGRAM REPORTプレックスプログラムレポート

テーマ:「進化するラグジュアリーライフスタイルの創造」

実業家

吉川 稔 氏Minoru Yoshikawa

PROFILE
1965年、大阪府生まれ。住友信託銀行勤務ののち、セレクトショップを運営する株式会社リステアホールディングス取締役副社長、カフェ経営のカフェ・カンパニー株式会社取締役副社長等を担当するとともに2010年にはクール・ジャパンの産業化、海外市場開拓に向けた戦略の検討を行う「クール・ジャパン官民有識者会議」に民間委員として参加するなど、クール・ジャパン機構の創設に貢献。
現在は都市緑化を30年以上手掛ける東邦レオ株式会社と戸建住宅の屋上グランピングテラスを創出する株式会社innovation、賑わいづくりに特化したプロデュースを行う株式会社NI-WAの代表取締役を兼任し、、全国にグリーンなライフスタイルに基づく「街づくり」を提案しています。

第1部:講義「進化するラグジュアリーライフスタイルの創造」

講義1

本日のプレックスプログラムは初のご登壇、実業家の吉川稔さんをお迎えして行っていきます。今話題のグランピングの仕掛け人でもある吉川さん。グランピングとはグラマラス(glamorous)とキャンピング(camping)を掛け合わせた造語。ホテルや宿泊施設が提供してくれるキャンプなので、自分たちでテントを張ったりする必要もなく、気軽に贅沢なキャンプを楽しめるという事で注目を集めている新しいアウトドアのスタイルです。そんな数々のトレンドをつくってこられた吉川さんから、今回はどんな面白いお話が聞けるのでしょうか。今年最後のプレックスプログラムのスタートです!

講義2

まずは吉川さんのこれまでの経歴をお話ししていただきました。そしてそこで培ってきたファッション・アイテムの目利き、ライフスタイル潮流の先見性、コミュニティデザインの見識を活かし、吉川さんはその当時携わっていた事業の一つであった「グランピング」のライフスタイルのトレンド化を図ります。「近年、デジタル技術の進歩によって便利な時代になっている。だからこそ逆に夕日や海など、自分で所有できないモノがこれからは価値になっていくんだとグランピングを通して感じました。」と語る吉川さん。モノの消費からコトの消費へ価値が移りつつあるという世の中の動きをいち早く察知し、ビジネスへと活かす積極性と柔軟さが現在も活躍の幅を広げている所以なのでしょうか。

講義3

また、吉川さんはグリーンなライフスタイルによる「街づくり」を始めています。吉川さんが社長を務める東邦レオでは、このグリーンの意味を植物だけではなく、①Eco(居心地の良い空間を生み出す「先端技術」)、②Community(多様な人々が繋がりあえる「空間づくり」)、③Peaceful(調和と共感が紡ぐ「ソーシャルネットワーク」)の3つで表現し、利用者目線のもと「クリエイティブ」と「空間活用」の技術力で、『街の居心地』を長期的に良くしたいという思いを込めて掲げ、取り組んでいます。「こういう街があったらなぁや、こういう街に住みたいなとか。僕自身がそう思うような街を僕は作っていきたい。」と話す吉川さんから、街づくりへの愛が伝わってきました。

講義4

そして話題はこれからの戦力について。テクノロジーとクリエイティブを合わせた技術や未来のオフェスの在り方についてなど詳しくご説明していただきました。「これからの企業で大切なのは、マネージメントとテクノロジー、そしてクリエイティブ。特に3つ目のクリエイティブの柱がしっかりしている会社がこれから先伸びると思います。また、これからは答えのない仕事や発想で人の心を動かす仕事がビジネスの根幹になっていくと思うので、そういったグリーンな人々が増えていってほしいと思います。」という吉川さん。一見難しそうな内容も、吉川さんのわかりやすく、面白いトークに受講生みんな熱心に聞き入っていました。

第2部:ワークショップ「グリーンなライフスタイルの提案」

ワークショップ1

後半はワークショップです。前半の講義でも出てきた「グリーンなライフスタイル」について、今度は受講生たちにも考えてもらいます。お題は自分が「グリーンなライフスタイル」を提案する会社のチームリーダー(もしくは経営者)だったら。(1)どんな街づくりを実践するか、(2)どんなワークスタイルであれば働きたいと思うかをグループになってまとめてもらいます。グループで協力し合って、吉川さんを驚かせる事のできるアイデアは出てくるのでしょうか。

ワークショップ2

それではいくつか発表していきたいと思います。まず最初のチームは「歌舞伎町の緑化」。普段なかなか近寄りがたいイメージのある場所に焦点の当てたアイデアです。吉川さんからも「夜ではなく昼の需要を作り、そこにいる人たちの印象の転換を図る面白いアイデアです!」と好評価でした。続いてのチームはプロジェクト名を「moving」と題し、通勤などの移動時間の概念をなくすため、電車に注目したアイデアを提案しました。車両ごとにカフェや本が楽しめる空間を設け、移動時間自体が目的にもなるため、通勤の苦痛さの緩和にもなります。吉川さんも「めっちゃいいですね!」と大絶賛。どのチームも前半の吉川さんのお話を上手く吸収できているようでした。

ワークショップ3

まだまだ発表は続きます。地下施設に木や芝生を設置し、滞在時間や顧客の増加を狙った「地下施設の緑化」や、仕事場や病院など、行くのが億劫になる場所にグリーンを置き、不安感の払拭や敬遠感の緩和を目指す案、満員電車をなくすという目的で、郊外にオフィスを設け、都市に仕事場という概念をなくす案など、どれもテーマやコンセプトだけでなく、その内側までしっかりと考え、上手くまとめ上げられていました。いくつかの案は既に動き出しているものもあるみたいなので、この先の実現が楽しみですね!

総評

最後に総評です。
「僕が思う、一番理想のグリーンなライフスタイルって学校のような色んな個性を持った人たちがフラットになる環境なんだなと今日の講義を通して思いました。そして学校には才能の塊のような人ではなく、一途に一流になりたいと思っている人が集まっている。そんな環境がすごくいいなと思います。今日僕はグリーンなライフスタイルとは何か、逆に学んだ気がしました。ありがとうございました!」吉川さん、本日はありがとうございました!