PLEX PROGRAM REPORTプレックスプログラムレポート

テーマ:「身体と技」

一般社団法人アスリートソサエティ

為末 大 氏Dai Tamesue

PROFILE
トラック競技における日本初の世界大会メダリスト。五輪はシドニー、アテネ、北京の3大会に連続出場。2012年に現役を引退。現在は、一般社団法人アスリートソサエティ(2010年設立)、為末大学(2012年開講)、Xiborg(2014年設立)などを通じ、スポーツ、社会、教育、研究に関する活動を幅広く行っている。また、スポーツに関する事業を請け負う株式会社侍を経営。主な著作に走る哲学、諦める力など。

第1部:講義「身体と技」

講義1

本日はプロアスリートの為末大さんを迎えて行います。今回が初の登壇となる為末さんは、陸上競技の世界で多くの記録を成し遂げ、現在は実業家として多方面で活躍しています。親和性の高いデザインとスポーツが交わったときに生まれる、さらなるデザインの可能性とは。普段とは異なる業種の有名人を前に、教室は少しソワソワした雰囲気です。まずは為末さんの自己紹介から始まります。

講義2

スポーツ以外の業界でも引っ張りだこで、一日に複数の講演やミーティングを行っている為末さん。現役アスリートだった際「身体・技・心」について考えるきっかけとなったのが、オリンピックという憧れだった場面で転倒し、予選で敗退した経験なのだそうです。このとき、心の乱れは動きの乱れ、動きの乱れは心の乱れということに気がついたと言います。その根拠を、認知心理学者の実験を例に、実際の動作の順番が脳→身体→意思、と説明します。

講義3

続いて、アスリートには欠かせない「技能を上達するプロセス」について解説。「反復し基礎をつくり終えた後は、実際の現場でそれを試し、臨機応変に対応できる応用力を培う必要がある。無意識が意識になることでスランプに陥るが、この流れで技術は向上していきます」。意識するべき3つのカメラや“蟻と百足”の話など、専門的な内容をわかりやすい例で説明する姿は、さすがセカンドキャリアの成功者です。

講義4

また、自分が25年間アスリートを続けられた理由として、単に何かを成し遂げるモチベーション(目的型)だけでなく、自分を発見していく喜び(報酬型)があったからだと為末さんは語ります。「物事を続けるためには、このどちらかではなく、両方をうまく行き来することではないでしょうか」。ここで前半は終了です。

第2部:ワークショップ「為末大のブランディング」

ワークショップ1

今回のお題は「為末大のブランディング」です。為末さんの肩書きをつくり、2020年までどう世の中にポジションニングするか、というのを8人程度のグループで考えます。「人と一緒は嫌なので、独特な存在にしてください」と、為末さんから条件が追加。社内とは違った良い案が出れば採用したい、と期待を胸に話し合う生徒たちを見守ります。

ワークショップ2

そして発表タイムです。A3用紙にまとめた肩書きと事業内容をグループごとに説明していきます。裏方に徹したプロデューサーや、まさかの意表をついたラッパー、引退したプロ選手が結成するアイドルユニットなど、かなりぶっ飛んだ発想に「素晴らしい!おもしろい!」と楽しそうに声を上げる為末さん。

ワークショップ3

他にも、災害に備えたサバイバルをレクチャーするDisastructor(disasterxinstructor)や、プロの心持ちをガイドするメンタルデザイナー、地域と密着したスポーツマーケティングなど、真面目なアイデアも多数ありました。「自分の人生を人が考えてくれるというのはすごく嬉しい。感動します」と改めて、今回のお題の価値を実感していました。

総評

最後に本日の総評です。「誰かの役に立つためには、他者が決めたことをするのが一番良いと思っているので、すごく勉強になりました。普段当たり前と思っていることも、捉え方によっては見え方が変わります。自分の思い込みの限界をどう打破するか、というのを今日話したプロセスを使ってぜひ考えてみてください。」