PLEX PROGRAM REPORTプレックスプログラムレポート

テーマ:「デザインを仕事にするということⅡ」

DODO DESIGN CEO・クリエイティブディレクター / DODO DESIGN COO・アートディレクター

堂々 穣 / OKO 氏Minoru Dodo / OKO

PROFILE
2012年にデザイン会社DODO DESIGNを二人で設立。MISSION:人々をあっと驚かせるデザインで考えや想いをビジュアライズ化すること。PURPOSE:より豊かで気持ちの良い世界を作ること。主なクライアント:JR東日本、スターバックスコーヒー、TOYOTA、KOKUYO、ORBIS、LUMINE、横浜ベイスターズ等。主な受賞歴:GOOD DESIGN賞、ADFESTAWARD、K-DESIGN AWARD、A’ DESIGN AWARD&COMPETITION、日本パッケージデザイン大賞、ACC賞、他受賞多数。東京デザインプレックス研究所プレックスプログラム登壇。

第1部:講義 「デザインを仕事にするということⅡ」

講義1

本日のプレックスプログラム講師は、2年半ぶり、3回目のご登壇となるDODO DESIGN代表の堂々穣さんです。今回はDODO DESIGNのCOOであり、プライベートでは堂々さんのパートナーでもあるOKOさんにもご同席いただきます。テーマは「デザインを仕事にするということ」。デザイナーになりたての頃、デザインのプロセスで大きく行き詰まり悩んだ経験があるという堂々さんに、当時知りたかったという “デザインのヒント”を紹介していただきます。

講義2

最初の話題は、アイデアを生むタイミングについて。大抵のお仕事では、最初に開発の思いや背景・資料を共有するオリエンテーションがあります。「その打ち合わせから1〜2時間後までがアイデア出しのコアタイム。そこで浮かんだキーワードや思いつきは、ひたすらメモに書き起こしています」と堂々さん。そのメモが後にデザインのベースへと育つことも多いため、堂々さんはインプット直後の時間を“特にアイデアが生まれやすい瞬間”として意識しているそうです。

講義3

続いて、“デザインを仕事にすること” について以下の6つの題を掲げ、一つ一つ丁寧に解説してくださいました。【デザインは自分の「好き」を武器にしていい世界】【デザインは「相手の人生を動かす仕事」】【デザインとは、「問題を見つける力」+「解決する力」】【デザインは「人生の経験全て」が武器になる】【デザインプロセス(DODO式)】【人生と仕事が近いほど、デザインは強くなる】デザインの仕事を多角的に捉え日々のお仕事に落とし込んでいるお二人のお話に、学生たちはメモを取りながら聞き入っている様子でした。

第2部:講義 ワークショップ「宇宙人レストランのお品書きをつくってみよう」

ワークショップ1

後半は「宇宙人レストランのお品書きをつくってみよう」をテーマに、想像力×創造力を鍛えるトレーニングを行います。学生たちに用意されたのは紙とペンのみ。「考えていただくのは、メニューでも、コンセプトでも、なんでもいいです」と堂々さん。学生たちは思い思いにアイデアを考えていきます。集まった学生の作品の中から、ゲストのお二人が特に気になったものをそれぞれピックアップし、講評していただきます。

ワークショップ2

学生のアイデアをいくつか紹介します。【バーコード型メニュー】紙に書かれたバーコードを宇宙人が読み込むとメニューが脳内に直接届くのでは?と考えられた作品。「アイデアが面白い!ステッカーにしたい!(笑)(OKOさん)」【仕掛け式のメニュー】店名の"ビックバン"にかけて、何層も折りたたまれた紙を開いていくと大爆発のようにメニューが出てくるという仕掛けを提案。「この短時間で企画・形・デザインまでできていてすごいです。(堂々さん)」

ワークショップ3

【「キャトルミューティレーション(UFOによる家畜誘拐説)」をヒントにしたステーキショップのメニュー】宇宙人がさらった牛をそのまま提供するステーキショップという独創的なアイデアを考えた学生も。メニューには「産地直送・地球産サーロインステーキ」や、地球のルールに縛られないという点で、攻めた裏メニューも登場しました。「世界観の作り込みだけでなく、牛柄のビジュアルデザインもいいですね!(OKOさん)」

総評1

最後に総評をいただきます。「今回のワークショップのように、ありえない設定で普段使わない脳の部分を刺激することや、独自の世界観でデザインに探りを入れてみることはすごく重要です。そんなちょっとした訓練が、5分後10分後、明日明後日に、いつもと違った世界が見えてくる”きっかけ”になるかもしれません。そんな風に皆さんも日々新たな自分が見えてくるといいなと思っています。(OKOさん)」

総評2

「自分の好きなこと、これが良いと思えることには、信じて突き進んでほしいです。デザインの仕事でも、そうじゃなくても、自分に素直に生きていく。そうすることで良い方向に連れてってくれるのではないかと日々思っています。(堂々さん)」実践的で為になるお話を惜しみなく共有してくださった今回の授業。お二人の明るく学生に寄り添ったお話は、多くの学生の記憶に残ったことと思います。堂々さん、OKOさん、素敵な時間をありがとうございました。