PLEX PROGRAM REPORT

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「言葉巧みになるための、超簡単なテクニック。」

2019年7月13日(土)

コピーライター/クリエイティブディレクター

下東 史明 氏

Fumiaki Shimohigashi

<PROFILE>

コピーライター/クリエイティブディレクター 1981年生。2004年東京大学法学部卒業。同年(株)博報堂入社。現在、第3クリエイティブ局。主な仕事に、MINTIA「俺は持ってる。」、イエローハット、1本満足バー「まんまん満足。」、カルピスウォーター「ぜったい、いい夏に、しよう。」、NTT「つなぐ。それはECO」、LINEマンガ、味覚糖グミサプリ、PloomTECH、エアーサロンパス、アクオスR、24/7Workout、GABA、胡麻麦茶、KOSEほか。著書に『あたまの地図帳』(朝日出版社)。TCC審査委員長賞・新人賞・ファイナリスト、ヤングカンヌ日本代表、日経広告賞など受賞多数。

下東 史明 氏

第1部:講義「言葉巧みになるための、超簡単なテクニック」

講義1

本日のプレックスプログラムは、今回初のご登壇となる博報堂コピーライター/クリエイティブディレクターの下東史明さんをお迎えしてお送りします。MINTIA「俺は持ってる。」、1本満足バー「まんまん満足。」、NTT「つなぐ。それはECO」など、誰もが見たことのあるコピーを多数生み出してきた下東さん。本日はそんな下東さんに、すぐにでも使える、コピーを作る際に活用できるテクニックをご教授いただきます。コピーというものを学ぶ場が少ない中で、学生たちにとって貴重なお話になりそうです。それでは下東さん、よろしくお願いします。

講義2

コピーは、何か上手いこと・面白いことを言えば良いのだと誤解されがちですが、そうではありません。コピーとは”企業・商品が経済活動を営む上で必要な言葉”であり、例えば飲料なら、その飲料をより売れるようにするための言葉なのです。そして、売れるようにするためのコピーを作るためには、コピーを聞いた人に”トク”を感じてもらうことが重要なのだと下東さんは言います。例えば鉄道会社では、普通列車・各駅停車と言う言葉を使い、「鈍行」という言葉は使いません。特急・急行・快速と言い、「駅飛ばし」とは表現しません。それは、「各駅に停車しますよ」「特別に急ぎますよ」というポシティブな表現でトクを感じてもらうためなのです。

講義3

”企業・商品が訴えたいこと”と”消費者が聞きたいこと”は、多くの場合は多少のズレがあり、その二つが重なっている部分を見つけることこそが、コピーを考えるときの一番簡単なテクニックなのだそうです。重なった部分に近づくにはいくつかの決まった公式があるそうで、その公式を教えていただきました。(1)”数字”はトクを感じやすい:「1粒で2度美味しい」「スプーン1杯で驚きの白さに」のように、数字で言われると具体的に感じ、納得度が高くなりトクを感じやすいそうです。(2)「あなたもターゲットですよ」はトクを感じやすい:「血圧130超えたら胡麻麦茶。」のように、「自分はターゲットだ」とすぐにわかります。

講義4

引き続き重なった部分に近づくための公式です。(3)「こういうときに使うんですよ」はトクを感じやすい:「朝マック」というコピーは、「マックは朝に使っても良いんですよ」と提案をしています。このように、こういうシチュエーション・機会に使うのもアリなんですよというのも常套手段なのだそう。(4)新しい”根拠”を示されるとトクを感じやすい:「100人乗っても大丈夫!」のように、その商品の根拠を今まで他が言っていた言葉とは違う言葉で示すと、納得度が上がるのだと言います。他にもいくつかの公式やテクニックを教えていただきました。この講義を聴いて、学生たちも少し”言葉巧み”になったのではないでしょうか?

第2部:ワークショップ「キャッチコピーを考えてみよう」

ワークショップ1

後半はワークショップです。今回の課題は商品のコピーの提案で、商品については、(1)レモン40個分のビタミンCが⼊った、スッキリした味の炭酸飲料、(2)名前は「LemoLemo」、(3)メーカーはGoogle という想定です。あらかじめ課題として考えてきたコピーを、下東さんの講義を聴いた上で適宜修正をして、挙手形式で発表してもらいます。”企業・商品が訴えたいこと”と”消費者が聞きたいこと”の重なった部分を上手く捉えることができるのか、本日の成果が試されます。学生たちはどのようなコピーを打ち出してくるのでしょうか?

ワークショップ2

学生たちのコピーからいくつかご紹介します。 「スマホにGoogle、カラダにLemoLemo。」このような対比の表現は、スマホにはGoogleを入れる、同じように体にはLemoLemoをインストールするのだと、消費者が想像をしやすいのだそうです。「21年分の美味しいデータが詰まった水」こちらは”21年分のデータ”という新しい根拠が示されていて、消費者はしっかりと納得することができます。 他にも「Googleがとうとう飲み物売り出したぞ」、「OK Google レモン40個分のビタミンCドリンクは?」等、多くのコピーが発表され、その都度下東さんからどこが良いのかを詳しく解説していただきました。

ワークショップ3

この課題での、”企業・商品が訴えたいこと”と”消費者が聞きたいこと”の重なった部分は、メーカーがGoogleという要素です。この炭酸飲料をGoogleが作っていると言われるだけで消費者は「ちょっといいな」と思います。それをシンプルに言うのも一つの答えなのだそうです。また、自分で作ったコピーを検証することも大事で、簡単な検証方も教えていただきました。(1)もし自分がクライアントだったら?:この場合はGoogle目線で自分の作ったコピーを見直します。(2)覚えやすいか?なるべく短いか?長い場合は意味深いか?コピーは短く覚えやすいことも大事で、長い場合は長いなりの意味があるかを検証します。

総評

最後に下東さんから総評です。「どの職業、どのジャンルに限らず”学び”を続けるということはとても大事だと思っています。学ぶ対象はなんでもいいけど、自分にとってのメンターを見つけるのが大事なんじゃないかなと思います。歌詞から、テレビから、漫画から学ぶ人がいてもいい。自分にとってなにかしらの学びというものを与えてくれる対象を探すことが大事です。それをずっと続けていれば学び続けられると感じます。言葉にしろデザインにしろ、ジャンルごとに学ぶ対象がいっぱいあるので、自分に学びを多くくれるものを、なるべく見つけるようにしてもらえればと思います」下東さん、本日はありがとうございました!

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