PLEX PROGRAM REPORT

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「クリエイティブが医学をアップデートする」

2019年4月5日(金)

横浜市立大学 先端医科学研究センター 教授

武部 貴則 氏

Takanori Takebe

<PROFILE>

2010年米コロンビア大学(移植外科)研修生を経て、2011年、横浜市立大学医学部医学科卒業。同年より横浜市立大学助手(臓器再生医学)に着任、電通×博報堂 ミライデザインラボ研究員を併任。2013年より横浜市立大学准教授(臓器再生医学)、独立行政法人科学技術振興機構 さきがけ領域研究者、2014 年スタンフォード大学 幹細胞生物学研究所 客員准教授、2015年よりシンシナティ小児病院 消化器部門・発生生物学部門 准教授、2016年よりTakeda-CiRA Joint Program for iPS Cell Applications(T-CiRA)研究責任者、2017年よりシンシナティ小児病院オルガノイドセンター副センター長を兼務。2018年より東京医科歯科大学 統合研究機構 教授、横浜市立大学 先端医科学研究センター 教授を兼務。WIRED Audi INNOVATION AWARD 、文部科学大臣表彰 若手科学者賞、第1回日本医療研究開発大賞 日本医療研究開発機構(AMED)理事長賞など受賞多数。専門は、再生医学・広告医学。

武部 貴則 氏

第1部:講義「クリエイティブが医学をアップデートする」

講義1

本日のプレックスプログラムは、横浜市立大学/東京医科歯科大学教授武部貴則さんです。 武部さんは、二つの国立大学の医学部の教授に31歳で任命されたことや、iPS細胞から血管構造を持つ機能的なヒト臓器の造成に成功するなど、主に再生医学の分野で世界的に著名な人物ですが、当校で講義していただくのは「広告医学」になります。この「広告医学」とは武部さんが大学生時代に提唱した考えで「デザインの力を用いて、人々が自然と健康に導かれたり、病に向き合えたりする仕組みを考えて実装していく」ことを指します。

講義2

まずは武部さんが今まで手がけてきた「広告医学」の実例をご紹介いただきます。「アラートパンツ」:太るとパンツの色が変わります。「いないいない白衣」:白衣を怖がる子供達には、袖口から可愛い動物たちが顔を覗かせる白衣をきて診察します。「知らせるマスク 」:ウイルスを視覚化するマスク。そして当校の学生と共に病院に実装した「こころまちプロジェクト」:病院の長く退屈な待ち時間を少しでも楽しい時間にするデザインの仕掛けの数々です。

講義3

次は「広告医学」的な手法を用いた国内外の実例を紹介していただきます。慢性閉塞性肺疾患で呼吸困難な若い女性が、腹式呼吸をマスターすることで、人前で大きな声で歌う動画には、思わずウルっときてしまいます。身体をコントロール出来ないパーキンソン病には音楽を聴かせることで、歩行や笑顔ができるようにしたspotifyの取り組みや、あえて間違えることを楽しむ「注文を間違える料理店」など、薬やお医者さんだけでは届かない新たな病への取り組みを初めて知り、学生たちはクリエイティブの可能性を感じ取っているようです。

講義4

前半最後は2018年に設立されたYCU-CDCについてです。「お陰様で多くの方々の尽力によって、商品化や実装が進んで来ました。次なるフェーズは企業や自治体との連動、そして人の育成と考えています。そのために創設したのが横浜市立大学学術院医学群 先端医科学研究センター・コミュニケーション・デザイン・センター(YCU-CDC)です。こちらにはスタッフとしてTDPの修了生も2名在籍してます。「これからも国内外にクリエイティブ+医学な成果を世に出して行きたいと思いますので、皆さん是非参画してください」力強い武部さんの呼びかけにより、前半は終了です。

第2部:ワークショップ「大型ショッピングモール+広告医学の取り組みを考える」

ワークショップ1

後半はワークショップ。こちらは事前課題が出ています。「大型ショッピングモール+広告医学の取り組みを考える。」がテーマになります。このテーマは実際にTCU-CDCに依頼が来ている内容なので、いい企画ならば実装に結びつけたいという話があり、余計に期待が高まります。 先ずは数名のグループになって、各自考えてきた企画を発表します。その後チームの中で選出されたアイデアを発表する流れになります。あっという間に時間が過ぎ、発表の時間になります。

ワークショップ2

いくつかピックアップして学生の発表を紹介します。「試し履き+walking」:靴屋の試し履きの返却スポットを館内中に設置し、試し履きにwalkimgの要素を加えた企画です。武部さんからは即、採用レベル。と嬉しい言葉を頂きました。「AED+フラッシュモブ」:AEDの使い方をフラッシュモブ形式の寸劇で注目を集めて知ってもらう企画です。武部さんからは「救急科の人達にぜひ教えたい内容です。これは小中学校でも取り入れたいですね。」とこちらもいいコメントが貰えました。

ワークショップ3

更に続けます。「ショッピングモールの外構をランニングコースに」:こちらも施設の許可さえ降りれば、とても面白くなるとCDCに在籍している当校OBからの意見もあり好感触です。「ショッピングモール+鏡」:単純にモール中に鏡を設置することで、自分の歩き姿や姿勢、体型を客観的に観るというもの。こちらは今ひとつ好感触は得れませんでした。「歩きたくなる床」:子供達にはクッションがある床、高齢の方には足つぼ効果など、仕掛けを設置します。ショッピングモール以外にも応用が効くと評価が高かったです。

総評

発表が終わり武部さんとYCU-CDCの西井助教授からコメントを頂きました。西井さん「一緒に働いているYCU-CDCのスタッフ二人(小高明日香さん 中沢大さん)の母校ということで、とても楽しみにしてました。期待以上の素晴らしい発表、大変ありがとうございました。ぜひアイデアを一緒に実現していきましょう。」武部さん「日本に戻って来ての最大の楽しみの一つがこのプレックスプログラムです。これから一緒にクリエイティブと医学が共存できる未来を作っていきたいと思っています.」武部さん ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

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