PLEX PROGRAM REPORT

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  • デザインプレゼンテーション
  • コミュニケーションデザイン

「詩を注ぐ 器の形(デザイン)」

2018年10月20日(土)

詩人

菅原 敏 氏

Bin Sugawara

<PROFILE>

詩人。2011年、アメリカの出版社PRE/POSTより詩集『裸でベランダ/ウサギと女たち』で逆輸入デビュー。執筆活動を軸に、異業種とのコラボレーション、ラジオやテレビでの朗読、デパートの館内放送ジャックなど幅広く詩を表現。アメリカ(ポートランド州立大学)、ロシア(サンクトペテルブルク・プーシキン博物館)やポーランド(ワルシャワ日本大使館)など、海外からの招聘で国際的な朗読活動も行なっている。主な講演に東京国際文芸フェス、六本木アートカレッジ、Google(US)主催のデザイン・カンファレンス「SPAN」など。Superflyへの歌詞提供、東京藝術大学大学院との共同プロジェクト、美術家とのインスタレーションなど、音楽やアートとの接点も多い。現在は雑誌「BRUTUS」や「GINZA」webほか連載も多数。2017年7月に新詩集『かのひと 超訳世界恋愛詩集』(東京新聞)を上梓。

菅原 敏 氏

第1部:講義「詩を注ぐ 器の形(デザイン)」

講義1

本日のプレックスプログラムは2回目のご登壇となります。詩人の菅原敏さんにお越しいただきました。詩人を生業にされている菅原さん。本・雑誌への執筆活動にとどまらず、ミュージシャンへの作詞提供や美術館でのインスタレーションなど幅広いジャンルでご活躍されています。自分の想いを言葉にする詩という世界、普段のプレックスプログラムとは少し違った内容になりそうです。学生たちもどんなお話を聞くことができるのか、興味津々の様子。それでは講義が始まります。

講義2

はじめに、菅原さんが詩人を仕事にするまでの来歴と今回のテーマ「詩をそそぐ、器の形(デザイン)について」をお話いただきました。学生時代には文学を学びながら音楽活動をされており、その後、Webメディアの会社員と詩人の活動、2つのお仕事を同時にされていたそうです。そして、今では詩の活動に軸を移されてから様々な活動をされています。「自分は生き方というより、職業としての詩人を選んだ」と菅原さん。その中で「もし詩が水だったら、どういう形の器に注ぐことができるんだろうか」ということがご自身のテーマとしてあったと話されます。

講義3

次にこれまでに手掛けられたお仕事をご紹介いただきました。「もしも、詩が水なら」というコンセンプトの元、詩をそそぐ器をどうデザインしていくのかを常に考えてきたそうです。音楽ではミュージシャンとの朗読会を行い、音にのせて詩を空間という器にそそいだり、また、本や雑誌などの紙媒体、テレビやラジオといった電波、さらにはファッションなど、様々なメディアを器として関係していくことで活躍されている菅原さん。普段、詩に触れることのない人たちが何かを通して詩の面白さと出会う、そんな機会を作り出されていると感じます。

講義4

お仕事をご紹介いただく中で、菅原さんご自身が手掛けられた詩を朗読していただきました。朗読が始まると会場全体の時間の流れが変わったのではないかと感じるよう。まるで菅原さんの詩の世界に包まれたような、とても贅沢な空間でした。詩人の活動を続ける中で、「詩に軸を置きながら、違う分野・世界の人たちと関わり、それを自分なりに楽しんで仕事をしてきた。」菅原さんの言葉は、クリエイターを目指す学生たちにとって忘れられないものになったのではないでしょうか。

第2部:ワークショップ「詩を書いてみる。」

ワークショップ1

前半の講義が終わり、ワークショップに移ります。今回は菅原さんから事前課題をご用意いただきました。テーマは「詩を一遍、書く」というものです。まず、学生たちは用意してきた自分の詩を朗読していきます。1人1人 がテーマも声の質も、詠むテンポも異なった、各々の世界を表現していました。菅原さんもテーマを決めた視点や表現が面白いと感心されていました。学生たちも自分の詩を披露したり、人の詩を直に聴く機会は珍しかったのではないでしょうか、驚きや感心の声が会場のあちらこちらから沸き起こっていました。

ワークショップ2

ワークショップは続きます。今度はチームに分かれ、それぞれが考えてきた詩を朗読し合い、「カットアップ」していきます。各自、書いてきた詩をハサミでバラバラにし、その言葉をチームの仲間で再編集して、新しい1遍の詩を作ります。そして、最後に各チームが発表していくというものです。別々のテーマや表現で生み出された言葉たちがいったいどんな詩に生まれ変わるのでしょうか。学生たちは楽しみながらも真剣に編集している様子です。

ワークショップ3

それでは発表の時間です。各グループが発表していきます。発表の方法も工夫されていて、チームごとに個性が出ていました。どのチームも素晴らしい作品になっていて、別々の詩を組み合わせたからこそ生まれる不思議なリズム、メンバーの声が混ざり合う感じなど、グループならではの朗読の良さが出ており、菅原さんも「言葉の重なっていく面白さを感じます」と絶賛されていました。発表した学生たちも「まとまらない部分があって大変だったんですけど、最後は1つのものになって面白かったです。」と楽しんでいたようでした。

総評

盛り上がった今回のプレックスプログラム、菅原さんから最後に総評をいただきました。「最初、一人で読んで頂いた時も、皆さんいい感じに書いてきてくださいました。声のトーンだったり、話す速度だったり、紙の上にある時と口に出した時って自分でも感触が違ってきたりすると思うんですよね。そういう意味で、チームでそれぞれの個性が立ちつつ、言葉と声がうまく混ざり合っているような、響き合っている感じとか…非常に個性豊かに感じたので、いい時間でした、ありがとうございました。」学生たちも一風変わった詩の世界、そこに触れた時間は貴重な経験になったと思います。菅原さん、本日はありがとうございました!

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