PLEX PROGRAM REPORT

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「コピーとは、なんだろう。」

2018年6月6日(水)

コピーライター
meet&meet / meet Inc.代表取締役

小藥 元 氏

Gen Kogusuri

<PROFILE>

2005年(株)博報堂入社。2014年8月独立、meet&meet設立。meet Inc.代表取締役。東京コピーライターズクラブ会員。これまでの主な仕事に、ファミリーマート「Fun &Fresh」キレートレモン「なりたい人は、わたしの中にいる。」「わたしは、まいにち、生まれる。」サントリーこくしぼりプレミアム「きょうは、幸福につかろう。」ジーンズメイト「ジーンズは、まだ青い。」日本フェンシング協会「突け、心を。」などのブランドスローガン開発/ 池袋パルコ「変わってねえし、変わったよ。」藤田ニコル×109「夢を笑うな。夢と笑おう。」Zoffサングラス「まぶしく生きろ。」マイケルジャクソン遺品展「星になっても、月を歩くだろう。」などのコピー開発/ PARCO「PARCO_ya・パルコヤ」、ダイソー300円ブランド「THREEPPY」、パナホームプレミアムオーダーハウス「artim」ポッカサッポロ「旅茶列島」モスバーガー×ミスタードーナツ「MOSDO!」などのブランドネーミング開発/川崎市「Colors,Future いろいろって、未来。」、ISGS「GO BEYOND GOAL」、Trenders「MOVE is LOVE」などのCI開発がある。 Kis-My-Ft2の作詞なども。

小藥 元 氏

第1部:講義「コピーとは、なんだろう。」

講義1

本日のプレックスプログラムはコピーライターの小藥元さんをお迎えしてお送りします。今回で3回目のご登壇となるのですが、会場には多くの学生が集まりました。コピーライターとはその名の通り、「言葉」を書くお仕事なのですが、デザインを勉強している皆さんにとっても、例えばポスターだったり、WEBサイトを手がける上で、コピーというものは必要不可欠だったりします。そんな今回は小藥さんがこれまで手がけられた作品の解説と共に「デザインと言葉」について、講義していただきます。それでは小藥さん、よろしくお願いします。

講義2

そもそもなぜコピーが必要なのか、そう疑問を持っている人も多いかもしれません。小藥さんはコピーとは価値の規定や差別化の手段と捉えていると話します。「歯医者」を例に挙げると、今や歯医者の数はとても多く、飽和状態になっているほどです。だからただ「歯医者」という価値だけで勝負しても他に埋もれてしまいます。しかしそこに「子供が泣かない歯医者」や「インプラント専門の歯医者」といった言葉を加えるとどうでしょう。他の「歯医者」と見事差別化されます。このように、言葉というのは価値を規定するものだったりだとか、他と比べてどう違うのかという差別化ができるといった大きな力を持っているのです。

講義3

ソーシャルという一大メディアがある中、多くの人が目にしたり使っている「言葉」は、20年前に比べて何倍にもなった近年、コピーの必要性が再重要視されています。小藥さんはいいコピーとはテレビCMや新聞の中だけにあるわけではないと言います。ではいいコピーとはどういったものなのか。小藥さんはココロとビジネスを動かすものこそがいいコピーだと考えています。例えば“サバ”と“関サバ”、”水”と“3億年前の水 財宝”みなさんならどちらを選びたくなるでしょうか?間違いなくどちらも後者だと思います。このように、コピーライターはただ上手いことを言えばいいという職業ではなく、いかにその言葉によって人を惹きつけられるか、売上に貢献し、ビジネスや企業の役に立っているかという責任を持ったお仕事だと話す小藥さんから高いプロ意識がうかがえました。

講義4

続いて小藥さんが仕事の中で意識していることを、ご自身のお仕事を例に、ご紹介していただきました。まずは景色を変えること。その言葉によって価値や価格、イメージをガラリと変えることができます。例えばジーンズに「戦争を4度体験したジーンズ」とコピーを与えることにより、歴史やアンティークさがプラスされ人の購買を刺激することができます。次に柱をつくること。企業にはそれぞれブランドイメージがあります。言葉によってその企業の柱を作り、立ち戻れる根幹を作ります。そして矢印のようにそのプロジェクトや企画の行き先を示すこと。いわば北極星のようなものだと小藥さんはいいます。言葉選びが苦手な人も多い中、小藥さんのお話はどれも参考になったのではないでしょうか。

第2部:ワークショップ「富山県に人が行きたくなるアイデアやコピーを考えてみよう」

ワークショップ1

後半はワークショップです。今回のお題は「富山県に人が行きたくなるアイデアやコピーを考えてください。」です。富山県といえば・・・とパッと出てくる人は少ないかもしれません。もちろんそれはわたしたちが富山県についてよく知らないだけであり、良いところ、魅力的なところはたくさんあります。今回のワークショップはそんな富山県の魅力をみなさんのコピーとアイデアで思わず行きたくなるように手掛けていただきます。前半のお話の中でもあった人のココロを動かせられるようなアイデアは出てくるのでしょうか。

ワークショップ2

それではいくつかご紹介していきたいと思います。まずは「富山で子供になる」。大人も子供も全力で遊ぶをテーマに考えたコピーです。また、実際に食べられる種類の生物のみを集めた水族館、”美味しそうな水族館”を企画。そのユニークなアイデアに、小藥さんも興味津々な様子でした。続いては「ホタルイカが照らす宇宙をすくった」。ホタルイカはその名の通り、ホタルのように光を放ちます。そんな食べる視点ではなく体験する視点をうまく表現したコピーです。続いて、「きびしいってまぶしい」。大自然による環境のきびしさ、師弟関係、伝統技術を受け継ぐ職人のきびしさにフォーカスし、だからこそかがやく富山の美しさをうまく言葉に落とし込んでいます。

ワークショップ3

まだまだ発表は続きます。「本当の富山のことを知らないままでいていいが?」あえて方言を用いることでキャッチーなフレーズになっています。「きらめきさがし」。ヒスイ海岸や黒部ダムなど、光るものが多いという魅力を焦点に、富山のきらめきを探してもらえればというコピー。プロモーションのアイデアとしても面白いと小藥さんも絶賛されていました。ほかにもユニークなコピーとアイデアが数多く発表され、終始会場は大盛り上がりでした。また、受講生の皆さんが積極的に質問する姿勢も印象深く映りました。一見、コピーとデザイン、その二つの考え方は違うように感じますが、意外にも近く、今回のワークショップはとても良い経験になったと思います。

総評

最後に小藥さんから総評です。「みなさん、発表ありがとうございました。いいコピーはコンセプトや狙いがフォーカスされているのものだと思います。そしてコピーというものは切り口であり、解決を促すものだと思います。また、コピーを手がける上で大事なこと。それは書くスキルももちろん大切ですが、もっと精神的なことで、仕事に対しての取り組み方、つまりは美意識が大切だと思います。どういう取り組み方やモチベーションかによって大きく差が生まれます。だからこそまず自分自身がわくわくしながら楽しみながら美意識を持って取り組んでいくのがとても大切なんじゃないかなと思います。今回の講義を踏まえて、言葉の力を信じてぜひ参考にしていただければと思います。」小藥さん、本日はありがとうございました!

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