PLEX PROGRAM REPORT

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「編集思考とブランディングデザイン」

2018年5月9日(水)

ダイナマイトブラザーズシンジゲート 代表

野口 孝仁 氏

Takahito Noguchi

<PROFILE>

アートディレクター。マガジンハウスにて「ポパイ」のデザインを担当。その後、有限会社キャップに4年間在籍。99年、ダイナマイト・ブラザーズ・シンジケートを設立。「GQ JAPAN」「リビングデザイン」などを手がける。現在は「東京カレンダー」「FRaU」「美術手帖」など多数の雑誌デザインを中心に、ファッションブランドの広告やブランディング、スマートフォン/iPad用アプリ・電子書籍やウェブサイトのデザイン・制作を手がける。
2009年 NHK「トップランナー」に出演。
2013年 red dot design award winner
2015年 日本パッケージデザイン大賞 入選
2015年 German Design Award International
2015年 A‘ Design Award & Competition Silver
2015年 IF Design Award ノミネート

野口 孝仁 氏

第1部:講義「編集思考とブランディングデザイン」

講義1

今回のプレックスプログラムはアートディレターの野口孝仁さんをお迎えしてお送りします。野口さんは当校創立以来、毎年行なっていただくプレックスプログラムの他にも、デザインプロ特別コースやデザインラボ等、関わりが最も深いクリエイターの一人です。参加者の中にも野口さんの授業を受けた方もいるのではないでしょうか。さて、最多7度目のご登壇となる今回は「編集思考とブランディングデザイン」をテーマにお話ししていただきます。アートディレクター、エディトリアルデザイナーとして常に第一線でご活躍されている野口さんから、多くのことを学び取ってほしいと思います。まずはデザイナーを目指したきっかけをお話ししていただきました。

講義2

今でこそ数々のお仕事を手がけられている野口さんですが、意外にも美大を出て、有名な広告代理店へ就職してといった、いわゆるエリートコースではなく、「ポパイ」のアートディレクターにアポイントを取り、ただ働きで構わないと迫ったことがデザイナーとしてのスタートのきっかけだったという珍しい経歴の持ち主です。当校の受講生もそのほとんどが美大とは関係ない大学を出た人、デザインとは異業種の職場で働く人ばかりなので野口さんのお話しは、とても励みになる内容なのではないでしょうか。次に、編集思考というアイデアの発想法について、雑誌ができるまでの工程を例にご紹介していただきました。

講義3

雑誌を作るにあたって、企画の方向性を決める編集会議からはじまり、ラフや必要な要素をもらい、内容を確認するデザイン入れなど、さまざまな工程があります。レイアウトを編集者に提案するデザイン提案では、サムネールボードで全体の流れを俯瞰しながら制作する方法を野口さんは取っているそうで、そうすることにより編集者も見ることができたり、前後の流れを知る上でデザイナー同士も共有できると言います。デザイン提案が終わると、次は修正。編集者からの修正依頼を元に、その意図や理由を把握する。ここでは内容とデザインの整合性をどう取っていくかというところも修正に反映されていきます。それが終わると写真への指示入れなどを行い、原稿を印刷所に渡す、いわゆる入稿です。そして色校を行い、校了。ついに本屋さんに並びます。

講義4

続いてはデザインシンキングについて。このデザインシンキングとはデザイナー的視点のクリエイティブな思考で問題を解決するというものなのですが、編集思考と考え方が似ていて、この考え方もアイデアの出し方において非常に参考になると野口さんは言います。大丸札幌店のブランディングでは効きテキーラから発想し、アイデアを練り込んでいったりと、ここでしか聞けない裏話も交えてその事例をご紹介していただきました。「デザインシンキングに必要なことはあらゆる角度から隠れたインサイト(共感)を見つけること。そのためにはいろいろな体験をすること、そして語れるこだわりを持つことが大切です。だからこそ是非質問してください。なんでこういうことを考えたのか、深堀していってください。」と野口さん。ここで前半は終了です。

第2部:ワークショップ「個人活動宣言ポスター」

ワークショップ1

後半はワークショップです。お題は「個人活動宣言ポスター」を制作して下さい。アイデア(編集思考)を考えるのに必要な日頃のインプットとしての色々な体験、語れるこだわりを各自考えて頂きその個人活動宣言ポスターを制作してもらいます。グラフィック、WEB、インテリアなど我々クリエイティブな仕事にはオリジナリティあるアイデアが必要とされます。アイデアは様々な方法、考え方によって作り出します。前半の講義ではその中の一つの方法(編集思考)について、野口さんがこれまで手がけられたお仕事を事例をご紹介しながらお話ししていただきました。それを踏まえ、課題の取り組んでもらいます。

ワークショップ2

まずは事前に考えてきた作品をグループになって共有します。その中から代表者一名を選出し、発表してもらいます。何故そのインプットを選んだのか? そのインプットの宣言ポスターのこだわりをプレゼンして頂きます。「アイデアを考える上で想像力は重要です。そのためには我々クリエイターは様々な経験が大切だとも思います。是非楽しんで取り組んで下さい!」と野口さん。プレゼンが苦手な人が多い中、緊張しないコツや心構えなども教えていただき、生徒への愛が垣間見れました。準備万端、いよいよ発表です!

ワークショップ3

それではいくつかご紹介していきます。まず最初の発表は山登りのポスター。日本中の山に登って、美しい景色をたくさん見たいという思いが込められています。続いての映画鑑賞のポスターでは、少し違った映画鑑賞のPRに挑戦。また、折り紙をテーマにしたポスターの発表では、折り紙を海外の方とのコミュニケーションツールと考え、上手くその思いが表現されていました。他にも大好きなカレーやライブのフライヤーなど。各々のこだわりが詰まった作品が数多く発表され、野口さんも興味津々な様子で終始講評されていました。第一線で活躍されているクリエイターの方に直に作品や考え方を見ていただけるのもこのプレックスプログラムの醍醐味の一つではないでしょうか。

総評

最後に野口さんから今回のプレックスプログラムの総評をいただきました。「時間がない中、素晴らしい作品とプレゼンテーションをありがとうございました。僕は人生は旅であると思っていて、旅が一番いろんな経験、初めて行った地域、初めて使う言葉、初めて出会う人たち、その全てが新鮮で、一番すごくいいインプットになると思っています。お仕事も人生も旅と同じように予定通りにいかないこともあると思うんですけど、そこをどう楽しむかということが結構モノ作りの醍醐味だったりするので、ぜひ人生を楽しむことのできるデザイナーになってほしいと思います。今日はありがとうございました。」野口さん、本日はありがとうございました!

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