プレックスプログラム レポート

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「今日から使える編集思考」

2017年7月26日(水)

博報堂ケトル
クリエイティブディレクター 編集者

石原 篤 氏

Atsushi Ishihara

<PROFILE>

法政大学大学院工学研究科建設工学修了。
2002年博報堂入社。プロモーションデザイン局に配属。
2007年11月より博報堂ケトルに所属。プロモーション発想で、広告・PR・SPの枠組みを超えた統合型コミュニケーションの仕事を行う。業界ウケの新しそうなことより、"人を動かす足腰の強いリアルなプランニング"が強み。主な仕事に「MOSDO!(モスバーガー×ミスタードーナツ)」「Mercedes-Benz Connection(メルセデスベンツ日本)」「StarFes.(JTセブンスター)」「flumpool 太り過ぎでギタリスト休業&ダイエットプロジェクト(A-Sketch)」「忍者女子高生(サントリーC.C.レモン)」など。カルチャー誌「3<SAN>」編集長、フリーペーパー「Village Vanguard Magazine」編集長。学生時代はライフセーバー。趣味は、サーフィン、マッサージ、「松本人志・高須光聖の放送室」を聴くこと。特技は、一度会った人の顔を忘れないこと、大きな声で笑うこと。AB型。さそり座。長男。近著『これからの「売れるしくみ」のつくり方~SP出身の僕が訪ねたつくり手と売り手と買い手がつながる現場~』 博報堂ケトルhttp://www.kettle.co.jp

石原 篤 氏

第1部:講義「今日から使える編集思考」

講義1

本日は2回目のご登壇、博報堂ケトルの石原篤さんにお越しいただきました。石原さんの第一回目の登壇は約1年前でした。再びプレックスに来てくださった石原さんは、去年のことを振り返り、当校で講義をしたことがとても印象的であったことを明かしてくださいました。「前回お話しさせていただきましたが、お世辞抜き、遠慮なしでこの学校で話したのがすごく楽しかったんですよ。」と笑顔で話される石原さん。もちろん、今回参加した受講生たちもとても心待ちにしていました!たくさんの受講生が集まる中、講義がいよいよ始まります。

講義2

石原さんが博報堂ケトルに入社するまでの間、どういった歩みをされたかを最初にお話ししてくださいました。もともと大学院まで建築系の研究をされていましたが、このまま建築系の道に進むよりも別の道があるのではと石原さんは当時感じていたそうです。大学教授から「君みたいのは広告会社がいいんじゃない?」という後押しなどもあり、石原さんは広告の道へ進み始めます。博報堂のプロモーションデザイン局に配属された石原さんは、イベント会場や販売会場などで、お客さんが実際に動く様子やリアルな現場の様子を間近で見てきました。石原さんは、ここでの経験は現在のお仕事の「原点」と話します。プロモーションデザイン局での仕事は、いわば「筋トレ」のような経験で、石原さんのキャリアのベースになったそうです。

講義3

実際に人が動くコンテンツ、広告単体で完結するのではなく一連の流れを起こす仕掛けを石原さんは数多く手がけました。お仕事の紹介を幾つかされた後に、石原さんのお仕事の方法論である「編集思考」についてのお話しに移ります。これはどういった思考法なのか、石原さんは「ある物事に対して色んな関係性を連想させること」と話します。何か伝えなければならない対象について考えるとき、その対象「A」のことだけを捉えず、その対象から連想されるキーワードやモノを連想することで、「A」を周辺環境の中で捉えることと話します。これによりアイディアや企画に面白さ、意外性、深みが出てくるということを、先にみたお仕事の事例がまさに体現しており、受講生もみな納得の様子です。

講義4

対象を点で捉えず、色んな枝葉をつくったり、全く違う対象から見てみたり、様々な文脈で捉える「編集思考」。具体的にどこから考えるか、石原さんはまず関連する「人」から考えるとやりやすいと話します。その上で、まず始めに仕掛けを起こすための「キーマン」を設定することが重要、と続けます。たとえば、「本屋大賞」という企画は本という対象の周辺環境の中でも「書店員」に着目し企画されたものです。この「書店員」がキーマンとなり、様々な形で本が注目され、メディア効果も生み出し売上に繋がっています。クリエイティブディレクションで必要なエッセンスを、概念的な話しを交えながらも石原さんはとてもわかりやすくお伝えくださいました。

第2部:ワークショップ「デザインプレックスキッズを設立したら」

ワークショップ1

後半のワークショップのお題を、石原さんから発表してもらいます。編集思考で大事なことは、まず「キーマン」を探すということでした。ワークショップはこのキーマン探しをみなさんに体験してもらいます。では、どういったキーマンを探してもらうのでしょうか。石原さんが発表したお題は、名付けて「デザインプレックスキッズ」!! 小学生のこどもを対象とした、新しい学校をつくると仮定し、習い事ブームの現在で「校長先生をキーマンとして設定し、そこから先生は誰にするか、教える科目は何にするか、また学校の場所はどこにするかを関連させて考えてもらいます。

ワークショップ2

早速グループに別れてみなさんに話し合ってもらいます。みなさんは、このデザインプレックスキッズの理事長という立場です。「今の習い事のトレンドは、デザイン」という状態になるため、その仕掛けとしてのキーマン探しです。理事長軍団(笑)のみなさんは、うまくキーマンを設定できるのでしょうか。話し合い後、意見をまとめたところで発表に移ります。発表前に、石原さんから一言発表がありました。このグループの中で、僕の独断と偏見で一番よかったグループを決めます!とのことです。見事1番に選ばれたメンバーは、石原さんからプレゼントがあるそうです!プレゼンに気合が入ります!

ワークショップ3

各グループ、同じテーマを与えられている中で様々な方向性の発表が飛び出しました。やはり多くはメディアに取り上げられそうな有名人をキーマンにしています。お笑いで活躍する芸人さんをキーマンにしたり、ママ層に人気のタレントさんをキーマンにしたり、中には「校長先生に実際に会う機会は少ない」という点に着目しアニメのキャラクターを校長に設定して、子供たちの関心を引こうとするアイディアもありました。そして、それぞれのキーマンを基軸にして、様々な先生や科目の案を挙げてもらいました。デザインの楽しさを純粋に伝えるような内容はもちろん、多くの班は表現のために必要なコミュニケーションを養うような内容を考えて発表していた様子が印象的です。石原さんは各グループの発表ごとにそれぞれ丁寧にコメントをしてくださいました。

総評

いよいよ1番を決める時、石原さんは「これは結構悩みますね」と、どのグループも甲乙つけ難いようです。結果、一番関係性をつなげて発表できたグループにプレゼントが渡され、受講生も嬉しそうです。石原さんから最後にコメントを頂きます。「これからは働き方も学び方も多様化し、新しい挑戦や、やり直しが、いくらでもできる時代。皆さんは一度学校を出て、社会人になり、また学校で新たに学んでるので、時代の最先端にいるのだと思います。悩みや自信がないこともあるとは思いますが、長く生きられる世の中なので、焦って物事を決めず、走りながら決めていけばいいと僕は思います。そして、ぜひ皆さんとも今後も関わりを持っていきたいと思っています。」80歳まで現役と宣言された石原さん、今後も応援しています!またぜひご登壇ください!

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