プレックスプログラム レポート

  • コンセプトデザイン
  • デザインプロセス
  • プラスデザイン
  • デザインプレゼンテーション
  • コミュニケーションデザイン

「THINK THOUGHTS ON DESIGN」

2017年4月29日(土)

グラフィックデザイナー

梅津 直之 氏

Naoyuki Umezu

<PROFILE>

グラフィックデザイナー/プロダクトデザイナー
1977年生まれ。ニューヨーク州立F.I.T(Fashion Institute Technology)卒業。
2012年に世界中のグラフィックデザインとタイポグラフィの歴史的アーカイブを共有するためSPREADを設立。ヨーロッパを中心としたデザインスタジオとのネットワークを構築することで現代におけるデザイン教育の在り方を探求している。

梅津 直之 氏

第1部:講義「THINK THOUGHTS ON DESIGN」

講義1

プレックスプログラム初登壇!一部のTDP受講生にはおなじみ、当校講師の梅津直之氏に本日はお越しいただきました。梅津先生は現在グラフィックデザインの授業を当校で教えてくださっています。「今日は、これまでの授業では扱ってないものを講義しようと思います。初めて聞く内容なので、面白いものになると思います。」と、冒頭の梅津先生の言葉に多くの受講生も期待を高めています。梅津先生は言葉の意味や使い方を明確にすることを得意としており、先生自身も言葉が好きだと話します。これからの講義は「デザイン」という言葉の意味を明確にし、またデザインというフィールドでの思考法をお話しくださいます。

講義2

「歴史を知るということが、僕にとってデザインの世界で残るための手段だと思っています。」梅津先生はこれまでのデザイン教育の歴史をまずお話しします。海外のデザイン教育から、日本のデザイン教育へ、その移行において「デザイン」という言葉の解釈の問題がありました。最近話題にあげられる「コミュニケーションデザイン」「ソーシャルデザイン」という言葉、この言葉の日本での解釈の仕方から、先生は問題提起をします。これはそもそも、何を扱うものなのか、日本では人と人との間のコミュニケーションをデザインすると認知されています。この事実自体は否定せず、先生は自身の専門分野であるコミュニケーションデザインの定義付けをしていきます。

講義3

梅津先生はアメリカの大学でコミュニケーションデザインを学んできました。ただ、日本で認知されている内容は、一切勉強しなかったと話します。大学で学んだのは、基本は紙媒体を扱うグラフィックデザインの学問でした。ただ、時代が進み、グラフィックデザインを扱う媒体が紙からスクリーンに広がったことから、コミュニケーションデザインという名称に変わったと話します。梅津先生の専門学問、加えて先生の定義するコミュニケーションデザインは、既存の紙媒体のデザインに対して、平面の紙という媒体を超えた3次元のデザイン、液晶、webなどのデザインを扱う学問と話します。様々なメディア、物質をミックスさせたデザインを考える、という内容に受講生達も納得していました。先生の言葉一つ一つに、明快さと、学問への熱い思いが感じられます。

講義4

先生の大学時代のエピソードもお話しくださいました。当時、大学の先生から発表された課題の内容を、梅津先生は留学初期、英語が不慣れだったため聞き間違えてしまいます。このため課題発表の時に全く違うもの作ってきてしまい、発表で先生や生徒達に笑われてしまいます。ただ、これに対して先生は評価をしてくれました。この経験で、新しいことを起こすには思い切った失敗も必要で、この時作ったデザインの考えが、後の仕事で反映された事例も話してくださいました。紙というメディアに向き合って、言葉を聞き間違えたことによって世界が広がってしまった、と梅津先生は振り返ります。他にもお仕事のことなど、先生のデザインに対する考え方、思いをたくさんお話しされました。今ここに参加している受講生に伝えたいという熱量を感じた講義でした。

第2部:ワークショップ「ポートフォリオ用の箱をデザインしてみよう」

ワークショップ1

前半の熱い講義を終え、ワークショップに移ります。梅津先生から出されたお題は「即、採用されそうな、ポートフォリオの箱・パッケージ」のアイディアを考えてもらいます。デザイン事務所にポートフォリオを送るという設定で、パッケージデザイン、箱についてみなさんに考えてもらいます。インパクトやユーモアも必要ですが、何より大事なのは発想の転換です。ポートフォリオを実際に入れる箱を考えるわけですが、ポートフォリオ自体の形も同時に考えることもできます。デザイン事務所に実際に届いて、採用されるだけではなく、「この箱とっておきたいな」「これ話のネタにしたいな」と思わせたら勝ちだと先生は話します。早速皆さんで考えていきましょう。

ワークショップ2

「箱は第一印象が大事なので、あまり機能に囚われすぎず、量産もするものではないのでコストもそこまで考えないで、自由にアイディアを出してください。」先生からのアドバイスをもとに皆さんで意見を出し合います。アイディアベースでの話し合いなので、皆さん和気あいあいと楽しみながら意見を交わしています。デザイナーを目指す受講生たちがゆくゆくはたどるであろう、ポートフォリオを送る作業、普通に封筒に送るだけでは目に止まらないかもしれません。この意見交換での話を生かしながら、受講生たちも自分たちの今後の就職活動のヒントを得ようとしています。いったいどんなアイディアが飛び出すのでしょうか。

ワークショップ3

アイディアをグループでまとめたところでいよいよ発表です。皆さんからは、オリジナリティとインパクトを重視した箱のアイディアが飛び交いました。卒業証書の筒に入れてみる、片や別のグループはランドセルに入れて送ってみる、などなど…。多くの奇抜な案に梅津先生も「これは予想外ですね…。」と驚きの表情です。他にもたくさんの案が各グループから出され、秀逸なアイディアの発表もあり、「理解できるユーモアで、これは面白いですね。フレッシュさを伝えるにも効果的だと思います。」そのアイディアの内容は…ここでは非公開にしておきます!先生から評価されたグループメンバーも嬉しそうにしていました。

総評

ワークショップでは箱・パッケージというデザインでいう「造形」の面白さについて皆さんで考えました。受講生からも、「デザインの要素で造形が色よりも大切なのでは、というのは目から鱗でした。」という感想も聞かれ、これまでのデザインという言葉の捉え方とは異なる、デザインの解釈を学べたことがとても新鮮だったようです。「もっとこれから頑張らなきゃ…と思いました!」「今日のお話は、これからの私に大きな影響を与えると思います。」今回のプレックスプログラムに参加した受講生は、今後のデザイン学習やキャリアについて士気が高まった様子でした。梅津先生、本日は熱い講義と楽しいワークショップ、本当にありがとうございました!

このページの先頭へ