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「ロボットと共にある日常」

2015年11月5日(木)

フラワーロボティクス代表

松井 龍哉 氏

Tatsuya Matsui

<PROFILE>

1969年生まれ。フラワーロボティクス代表取締役。日本大学芸術学部卒業後、丹下健三・都市・建築設計研究所を経て渡仏。科学技術振興事業団研究員の後、起業し現職。2001年にヒューマノイドロボット『SIG』、『PINO』でベネチア・ビエンナーレ、MoMA特別企画展に招待出展。ロボット開発を行う傍ら、航空会社スターフライヤーのトータルデザイン、ALFRED DUNHILL銀座本店の店舗設計なども手掛ける。2015年家庭用ロボットPatinを開発
http://www.flower-robotics.com/

松井 龍哉 氏

第1部:トークショー「ロボットと共にある日常」

講義1

本日は約二年ぶり3回目のご登壇。フラワーロボティクス代表、 ロボットデザイナー松井龍哉さんです。ロボットデザイナーとして、著名な松井さんですが、商業施設や飛行会社のトータルデザインを行うなど、デザイン領域はとても広いです。「車やPCがそうであったように、これからロボットが日常にあることが当たり前の時代が来ると思います。ロボットデザインが日常に溶け込むには必ずデザインが必要です。これからはロボット工学とデザインがより近づいてきます。皆さんのような方に頑張ってもらいです。」とのメッセージから、講義の始まりです。

講義2

まずは松井さん率いる2001年に創業したフラワーロボティクスのロボットの製作変遷からです。宇多田ヒカルさんのPVにも登場したロボット「PINO」から最新作「Patin」に至るまで、「ロボットが日常にある風景」をテーマにどれも作られており、ロボットを未来やコミック・映画の中のモノと捉えがちな私たちには、どれも新鮮な驚きがあります。続いては「ROBOTの定義」と題して、ロボットの起源や種類、ロボットの歴史的な進化などをご解説いただきます。

講義3

その中で、ロボットをデザインする際のキーワードとして、ロボットの「自律性」の重要性を説かれました。人の生活の中に、自然と共存させることが大切であり、ロボットをロボットとして感じさせないデザインがこれからのテーマになって行くと語られました。次に少し毛色を変えて、松井さんがロボットデザインに目覚めた一つのきっかけとなったという「Robocup」に関してです。ロボットの奮闘する姿がとても可愛いのですが、それだけでなく自律型という意味がとてもよくわかります。また松井さんが言われる「環境の設定がとても重要で、万能を目指すと逆に何にもできないロボットが生まれてくる」という言葉の意味も講義を受けるごとに徐々に分かってきます。

講義4

新しさが普及するための5つのデザインキーワードとして、優位性、可能性、簡素性、視認性、互換性の具体的な事例を交えてご解説いただきました。その5つを踏まえたうえで、フラワーロボティクスの最新作「Patin」のコンセプトと目的を最後にご解説いただきました。自律行動するAI(人工知能)と移動機能を持ったプラットフォームであるPatin。まさに日常の生活の一部になるべく開発されロボットの登場にワクワクします。「ロボットを日常の風景にする」ことの意味に少し近づいたところで前半の講義終了です。

第2部:ワークショップ「自律型ロボットPatinに付帯する機能を考えてみよう」

ワークショップ1

今回のワークショップは「自律型ロボットPatinに付帯する機能を考えてみる」です。松井さんからは「前半の話で少しロボットに対して光が見えてきたと思うので、今度はそれを具体的にすべく、Patinに付帯する斬新なアイデアを考えてみてください。良いアイデアの場合は商品化も考えますので、頑張ってください!」と号令を頂き5~6人程のチームに分かれて、30分のディスカッションタイムがスタートです。

ワークショップ2

あっという間に30分が過ぎ、各チームの発表と講評が始まります。いくつかのチームの発表を紹介します。「噴霧器を乗せる」、状況に応じてアロマ・防虫・消臭を行う機能を乗せるアイデアです。松井さんからは「噴霧のアイデアは良いと思うけど、Patinには動くというもう一つの特徴があるので、そこを踏まえられたらもっと良かったね」と講評をいただきました。続いては富裕層に向けた「ペット用ロボット」、飼い主の代わりにペットの面倒を見てもらえるロボットです。松井さんからは「ロボットには機能ももちろん重要だけど、きっと富裕層にはもっと違う価値を提供すべきかもしれないね」と講評いただきました。

ワークショップ3

続いては「家族のカメラマン」、家族の様子を自動的にシャッターチャンスを狙って撮ってくれる機能が付いたPatinの発表もありました。最後に発表があったのが「どこでもごみ箱」、台所などでごみを捨てる際に、物音で察知し近くまで来てくれるPatin。日々の生活の中で、ちょっと面倒だなと思う時に、ごみを投げてキャッチする機能があったら面白いのでは?と考えて出たアイデアだそうです。このアイデアは松井さんも「面白いですね。いなくなったらゴミだらけになっちゃうという必要性がまた良いですね」とお褒めの言葉をいただきました。

総評

ワークショップの発表と講評が終わり、松井さんから総評です。「今日はいろんな意見が聞けて楽しかったです。ロボットは今第三次ブームです。2020年までに多くのロボットが世に出てきます。ロボットデザインもより注目され、皆さんの中でも携わる人が出てくると思います。そこで考えてもらいたいのは、人間のために最適化することは何か?人間が心地良いと考えることは何か?という人を中心にしたシンプルな問いかけが最も近道だと僕は思います。一緒に素敵な未来をつくりましょうね。」松井さん本日はありがとうございました!

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