プレックスプログラム レポート

  • コンセプトデザイン
  • デザインプロセス
  • プラスデザイン
  • デザインプレゼンテーション
  • コミュニケーションデザイン

「感じる。考える。創る。」

2014年2月27日(木)

アーティスト/メディアクリエイター

市川 健治 氏

Kenji Ichikawa

<PROFILE>

メディアクリエイター、アーティスト。1990年に考案した「ピクセル・モンタージュ(Pixel Montage)」という技法を用いた作品のスタイルで、日本グラフィック展、日本ビジュアル・アート展、APA日本写真ビエンナーレ、プリンツ21グランプリ展、現代日本美術展、岡本太郎現代芸術賞等、数々のコンペティションで受賞歴を持つ。東京・横浜・名古屋・上海・ニューヨーク・ミラノ・ボローニャ・アムステルダム・ゲント・ブエノスアイレス等、国内外を問わずアートフェアや展覧会に出品。雑誌・書籍・DVDブックレット・TV・iPhone/iPad用アプリ等、様々なメディアやイベントでも作品を展開。「ウタマロケンジ」としても活動中。東京デザインプレックス研究所講師。

市川 健治 氏

第1部:トークショー「感じる。考える。創る。」

講義1

本日はアーティスト市川健治さんを迎えてプレックスプログラムを行っていきます。まずはデザインやアートに目覚めた少年時代のエピソードから市川さんの原点をお話いただきます。「デザインってかっこいい!」から始めたデザインの道でしたが、美大を何浪人かするなど幾度となく壁にぶつかります。その中で自分の中で突破したかな?と思える作品を幾つかご紹介いただきました。その突破の決めては“いいもの作ろう”から、“感じたままに描こう”という自身の気持ちの変化でした。

講義2

市川さんの代名詞となったギャザリングアートの第一作目のエピソードもお話いただきました。科学雑誌が好きで、宇宙を違った形で表現したいと思い立ったのがきっかけだったそうです。その後、大好きだった科学や宇宙を独自のギャザリングアートで表現していましたが、ふとしたことがきっかけで女性の裸体の美しさを表現したくなります。そこで女性の裸体で市川さんが女性の象徴と捉えるハイヒールを描くという作品を作りました。 これが今多くある女性の裸体をベースにしたものの第一号です。

講義3

その後は、卵の殻を使用して作ったアート作品や女性の下着を使用した映像作品。市川さんらしさが溢れ出た作品を次々と解説いただきました。様々な作品を作られた後に原点に戻りたくなって作った、市川さんが尊敬するアーティストや葛飾北斎や歌麿・写楽をモチーフした作品。また女性の唇を女性の裸体を使用して作った作品等々の制作プロセスをご紹介いただきました。作品の面白さは元より、市川さんのユニークな解説に受講生は笑いっぱなしです。

講義4

そして最後は「カビがデザインした食パン」の解説です。カビをカビと捉えずに自然がデザインしたものと感じた市川さんは日本中を周り、食パンにカビをデザインしていきます。地元長野の大自然は元より、京都の観光名所や渋谷や秋葉原といった都会まで、ありとあらゆるところで市川さんは食パンにカビをデザインさせています。さらに驚くことに場所ごとに全くカビでのデザインが異なることです。桜が舞う地域では桜色になり、緑が豊かな地域では緑色になり、本当にカビがデザインしていると思う作品群に受講生も驚きです。これで前半は終了です。

第2部:ワークショップ「身近に有る小さな自然をドットで描く。」

ワークショップ1

後半のワークショップに突入です。今回は事前に受講生には「身近に有る小さな自然を一つ撮影して、プリントアウトして来る」という課題が与えられていました。 受講生の皆さんは、持参した写真をプリントアウトしたものの上に透明なOHPシートを乗せて、上からドットで描いていくというものです。前半に市川さんから解説があった「カビのデザイン」を3色のマジックだけを使ってデザインしてみるというワークショップです。
何のために写真を持ってきたか不明な受講生ですが、どことなくワクワクしているように見えます。

ワークショップ2

写真をじーっと眺めながら何かを感じようとしている人や一心不乱にドットを描き続ける人、皆様々なやり方でドットを打ち続けます。途中市川さんからは「皆、自分がこの空間のカビになったと思って描いてください。深く考えずに感じるままに打ち込んでくださいね」若干微妙なアドバイスですが、受講生は真剣な面持ちでドットを打ち込んでいきます。打ち込みが終わった後はグループになっての作品解説を行い、終わった人から順々に元になった写真を壁に貼っていきます。

ワークショップ3

三色で写真を純粋に再現しようとした受講生や自分が自然の一部になったことを意識した受講生と様々な作品が見受けられます。社会人経験が豊富なのですが、感じたままに行うのは苦手な人が多く、出した作品に対してもちょっと自信がない様子です。講評の時間では、自分の作品を市川さんに講評してもらいたい受講生が挙手して行きます。市川さんから甘辛なコメントを頂く受講生たちですが、コメント自体をもらえることに喜んでいるようです。

総評

最後に市川さんからは「良く意図を理解してる作品がたくさんあって驚いてます。良いものを作ろうという考えから少し自分を解放して、その作品の一体になる感覚を味わって欲しかったので、嬉しいです。普段は考えに考え抜いてデザインに取り組んでいる皆さんだと思います。“感じる”をベースにした少し違ったアプローチでの制作手法を知ってもらえたでしょうか? 行き詰まった時は是非、少しリラックスして感じながらデザインしてみてください。」市川先生ありがとうございました!

このページの先頭へ