プレックスプログラム レポート

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「2020年のテレビはどうなっているか」

2013年12月7日(土)

バスキュール代表

朴 正義 氏

Masayoshi Boku

<PROFILE>

言語や世代を超え、多くの人に楽しんでもらえるインタラクティブコンテンツを生み出すことを目標に、2000年にバスキュールを設立。以後、ユニリーバ、ナイキ、ポケモン、マイクロソフト、トヨタ、コカ・コーラなど、数多くの企業やブランドのデジタルプロモーションを担当。Cannes、Clio、One Show、D&AD、NYADC、Webby、Adfest、TIAA、文化庁メディア芸術祭など、国内外の広告賞を多数受賞。いつか世の中にインパクトを与えるものをつくりたいという妄想を抱えつつも、すでに40代半ばになってしまった現実に焦りはすれども日和ることなく、新しい何かを生み出すことにチャレンジしているつもり。最近はテレビ×ソーシャル企画に奮闘中。

朴 正義 氏

第1部:トークショー「期待を超えるインタラクティブへの挑戦」

講義1

本日のプレックスプログラムは、バスキュール代表である朴正義さんをお迎えしてお送りします。
「宇宙と未来のニューヒーローを目指す」をミッションとし、近年はWebに留まらずテレビコンテンツの制作をもするバスキュール。「最高のクリエイティブって、次の世代の子供たちがそれを見て夢見てしまうようなもの。それをいつか作ることが目標です」と語る朴さんの言葉に、教室の期待は高まります。そんな「期待」も今日のテーマのひとつであるとのお話があり、プレックスプログラムが開講します。

講義2

「SPACE BALLOON PROJECT」は、みんなの思いをのせたGALAXYをバルーンで宇宙に飛ばす、コミュニケーションイベント。「バルーンが宇宙へ向かうさまをリアルタイム中継するという、これまでに誰も見た事のない映像をみんなが応援してくれた。この事例では、バルーンはどこまで行けるかどうかですが、コンテンツに触れてくれた人々にちょっと先の未来を予想させられるかどうかが僕の考えるデザインの肝です」と朴さん。「体験をデザインするということは、期待をデザインするということ」という解説は、インタラクティブな体験をデザインする朴さんならではの言葉だと感じました。

講義3

12台のカメラで撮影されたライブ映像を、自由に編集し共有できる『12CAMS』など「体験を自分ごと化する」コンテンツが次々と紹介されます。『NIKE ID』のプロモーションは、自分のデザインした靴を共有し、友達と評価し合えるというもの。評価された靴は購買意欲へと繋がり、期間中の日本の販売数が世界のNIKEでトップを記録したそうです。「みんな褒められるのが好きなんだと思いました。それも体験のデザイン。自分で編集するとかもそうなんですけど、自分ごと化を上手にさせてあげると、行動に影響が表れてきます」と、一貫する体験へのデザインです。

講義4

講義はテレビの話題へ。「テレビは日本全国に普及している家庭内最高性能AV装置。スマホは自ら情報を発信し、24時間いつでも誰かと繋がれる最高性能コミュニケーション端末。インフラの整っているテレビといつでも手元にあるスマホを組み合わせれば新次元のインタラクティブコンテンツがつくれるんじゃないかと思った」と朴さん。その思いを実現するために、デモをつくり、社内外にその熱意を発信し続け、テレビ業界に振り向いてもらえるようになったそうです。「オーダーもされてない仕事を作るには、こんなのやったらよくないですか?とまずカタチにすることです」と、クリエイターならではのお話でした。

講義5

バスキュール自らスポンサーとなり放映された『ブラッディ・チューン』のデモサイトにアクセスし、教室内のスマホを繋いだインタラクティブの体験へ。サイトに接続すると自分たちの名前がスクリーンに映し出され感動する受講生一同。スマホと連動したゲームの結果がリアルタイムにテレビ画面で共有され、手元から自分への応援メッセージが音声で届くという未体験のコンテンツに教室は大いに盛り上がりました。「もしこれが日本中で繋がったら?」そんな期待をせずにはいられない、まさに未来のインタラクティブ体験です。ランキングでは朴さんが見事に1位を取り教室を沸かせる場面も。

第2部:ワークショップ「2020年の東京オリンピック、どんなメディアでどのよう観戦するのかを考える」

ワークショップ1

本日のワークショップのお題は「2020年の東京オリンピック、人々はどんなメディアでどのよう観戦するのかを考える」です。自分達もデザイナーとして関われるかもしれないという意識の中、チームで意見を話し合っての発表となります。「心拍数や体温、選手視点の映像などで、選手の気持ちを体感する」という発表をしたチームには「素晴らしいです。ヒントになりすぎてしまうと思って見せなかったデモがあるんですが、まさにこれです。今の野球中継だってピッチャーの投げる瞬間の心拍数が表示されるだけで、どんなデザインよりも面白い」との高評価でした。

ワークショップ2

「観客の撮影している映像を、外部から自由に受信できるシステム」を発表したチームには「表現を考える際には、出力だけでなく、入力を考えることが大切です。2020年に向けてカメラやセンサーといった入力装置の性能が飛躍的に向上します。それをどのように活用し、より臨場感ある映像を届けるかが、2020年の面白いところかなと思います」とのコメントが。また翻訳についての提案もされましが、朴さんからも「今は情報がどんどんリアルタイムに交わされる時代。七年後は直接会話が通じるくらいになると素敵だし、他の国の選手も応援したくなる」と現実的な視野での意見を頂きました。

総評

最後に総評として「これから人は良くも悪くも、どんどんリアルタイムなものを求めるようになります。だからこその反対の、もうちょっとゆっくりしたことをやろうとする人は、そのカウンターであることを意識した方がいい。これからの流れを汲むとしても、時代を見ながらあえてここをやってるんだと思えている方が、とても落ち着いてやれると思います」とアドバイスを頂きました。時代と共に進歩するインタラクティブを学んだ本日の講義。朴先生、本日はありがとうございました!

Text by 東京デザインプレックス研究所修了生
久保隆平

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