プレックスプログラム レポート

  • クリエイティブワークショップ

「Numero TOKYO流企画術 ~Discovery 付加価値~

2013年6月17日(月)

Numero TOKYO 編集長

田中 杏子 氏

Ako Tanaka

<PROFILE>

ミラノに渡りファッションを学んだ後、第一線で活躍するファッション・エディターのもとで、雑誌や広告などに携わる。帰国後はミラノでの経験を活かし、フリーランスのスタイリストとして活動。流行通信やELLE JAPONの契約スタイリストを経て、VOGUE NIPPON創刊時より編集スタッフとして参加。ファッション・エディターとしてのキャリアを重ねるとともに、広告やTV番組の司会、また資生堂「Maquillage」キャンペーンのファッション・ディレクタ−の職を2年間兼務するなど多方面で活躍。2005年11月よりNuméro TOKYO編集長に就任し、1年半の準備期間を経て、2007年2月に創刊。

田中 杏子 氏

第1部:トークショー「ディスカバリー付加価値」

講義1

毎号斬新な特集で話題を呼んでいる、ファッション雑誌『NumeroTOKYO』。本日は編集長、田中杏子さんにお越し頂き、NumeroTOKYO流企画術を伝授して頂きます。田中さんは、イタリアでスタイリストとして活躍後、『VOGUE JAPAN』でファッションエディターを務め、『NumeroTOKYO』創刊時より編集長に就任しました。「ファッションエディターからいきなり編集長へとステップアップをすることは、少し葛藤がありましたが、私がやらなくては!という気持ちで編集長になりました」とスタイリストから編集長になるまでの経緯をお話して頂きました。

講義2

「NumeroTOKYOを創刊する際に、最初に掲げた雑誌のスローガンは、『毒抜きされたモード誌はもういらない』。ここでの毒とは、脳に傷を付ける、クリエイティビティの意味を持っています」と、読者の心に残る、捨てられない雑誌を作ることがNumeroTOKYO流。時と共に消費される企画ではなく、時間が経っても色褪せないクリエイティビティを追及していくことを大切にしている、と企画に対する想いを教えてくださいました。

講義3

続いて、企画案のスタート地点であるファッションショー、2014秋冬コレクションの写真を見ながら、各ブランドコンセプトや、そこから読み取る女性像について解説して頂きます。「各ブランドコンセプトはバラバラですが、いかに自分流に落とし込むかが大切。今回のパーティースタイルも肌の露出はあるのに、どこか地味目。そこから、美術館のレセプションに向かう女性が思い浮かび、これから企画にどう落とし込んでいくかを考えています。」

講義4

次に、実際の企画書を基に、特集が組まれるまでの経緯を説明して頂きます。『ISETAN ART CONVENIENCE STORE』。伊勢丹にある魅力的なラインナップをみた田中さんは、「東京といったら、コンビニ!なんでもそろう、アートなコンビニが面白い!」と思いつき、ブランドの飲み物やアーティストが作ったノートなど、どんどんアイディアが広がり、企画が成り立ちました。この企画の時ももっともこだわるのはタイトル。「タイトルへの拘り無くして、この企画は産まれませんでした。」と編集者のプロ魂を話して頂きました。

講義5

田中さんは、「迷いのあるものはそれが誌面に反映されてしまい、読者にもわかってしまう。勢いがあるものは、とてもいいものができて、それは評判にも数字にも繋がります。人の心を動かすには?と考えれば、そのものの見方ができるようになります。また、企画を立てるには、ネットワークが大切。誰に何を頼めばおもしろいか、人選をうまくやることも重要。すべては熱意があれば大丈夫!」と、人を中心に考えることの大切さを教えて頂きました。

第2部:ワークショップ「NumeroTOKYOの編集者だったら/ NumeroTOKYO秋号の特集を考える」

ワークショップ1

ワークショップでは、事前課題として、NumeroTOKYO秋号の特集アイディアを受講生各自が考えてきました。まずはグループに分かれて、それぞれ各自のアイディアをプレゼンテーションしていきます。次に、グループで最も良かったものを1つの企画にまとめるため、編集会議を行います。その後、代表プレゼンターは、全体に向けてグループで考えた特集を発表していきます。

ワークショップ2

秋号ということで、読書の秋、芸術の秋、食欲の秋、と、カルチャーに富んだ内容が多くでてきました。中でも、「最も自分たちの編集会議に近い内容で、出てくる名前やブランド名も同じで驚きました!」と田中さんに好評だったグループを紹介します。芸術の秋として、「淑女な悪女」をタイトルに、美術館に訪れたシックな服装に身を包んだ美女を登場させます。一見、おしとやかでまじめそうに見える女性が、誌面ではアウター部分を破りとったような加工を施し、中に着ているインナーを見せるというアイディアが飛び出しました。そして、インナーはオンラインショップなどで購入できるという落とし込みも。

講評

最後に田中講師より、「今回のワークショップはとても刺激的でした。普段は同じメンバーで会議をしていますが、斬新な話題はいつもスタッフが持ち込んできます。新しいスタッフが入れば、また新しい風が吹きます。今日はまさにそんな感じ。みなさんは、編集スタッフと同じで、よく時代を読んでいるし、物をよくみていますね。とても驚きました。」
田中編集長 本日はありがとうございました!!

Text by 2012年10月期 編集&ライティングコース
相川千尋

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