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「KAWAIIデザイン」

2013年2月11日(祝)

アートディレクター

千原 徹也 氏

Tetsuya Chihara

<PROFILE>

デザインオフィス「株式会社れもんらいふ」代表。広告、装丁、ファッションブランディング、WEBなどデザインするジャンルは様々。主なアートディレクションに、ラフォーレ原宿、my panda、遠い夏のゴッホ、100万回生きたねこ、レスリーキー写真集、ドラえもん、菊地凛子 web、装苑、Zoff、きゃりーぱみゅぱみゅ、など。またボーダーをテーマとしたファッションブランド「HORIZONTAL BLANKING PERIOD.」のデザイナーもつとめる。

千原 徹也 氏

第1部:トークショー「誰にも負けない武器をデザインする。直感的に『かわいい』と思ってくれるこだわりとは」

講義1

今回はファッションをベースに様々なジャンルで活躍しているアートディレクター・千原徹也さんです。大学でデザインを学んでいたわけではなく、卒業後はファーストフードのクーポンの裏面をひたすらレイアウトする仕事をされていました。「自分の会社を持ち、グラフィックの世界で仕事をするなんて考えてもなかった」と話す千原さん。現在に至るまでのルーツやデザインで一番大切にしている考え方をお話頂きました。

講義2

転機が訪れたのは28歳の頃。アートディレクター・佐藤可士和氏が手掛けたSMAPの広告作品をみて、「シンプルなのに人を驚かせる、これがグラフィックデザインだ!」と衝撃を受け、「発想力さえあれば自分でもできる」と、東京行きを決意されます。上京後は、飲み屋で知り合ったアートディレクターの事務所で半年ほど働いたのち、広告代理店に移り、マス向けの広告制作に2年間携わることに。ここまではご本人曰く、低空飛行の日々。

講義3

そして、ファッション系グラフィックを手掛けるデザイン事務所に入社します。最初は抵抗のあったファッショングラフィックですが現場や海外雑誌を研究するにつれ、自分はファッション関連の仕事が向いているとやりがいを見い出し始めます。あるブランドのキャンペーンを一人で担当するかどうかを決めるプレゼン当日に、自分を奮い立たせるために金髪にしたエピソードには、会場からも大きな笑いが。様々な分野の人と絡みながら、自分の思い描いたものをクリエイションしていけるアートディレクターの楽しさを知った千原さんは34歳のときに独立されます。

講義4

「“自分らしさ”はやっていくうち掴めていく」と話す千原さんも、ファッションフォトにドローイングを施した独自のスタイルは「かわいい」と言われたことがきっかけとのこと。幼い頃にデッサン教室に通っていたくらいで、広告の仕事をするまで全く絵を描いていなかったものの、毎日描くことで精度をあげていったという。自らの手で直接描くことで魂が込められ、自分らしい作品生まれていきます。

講義5

「理屈の積み重ねじゃないんです。アーティスティックな作品でも、見た人が直感的に『かわいい』と思ってくれるところにこだわりを持ってるし、大切にしているところです」そのセンスを磨くには、「これは誰にも負けないというジャンルやコト、モノをひとつでもいいからとことん追及することで迷いもなくなるし、自分の武器にもなる。やがてそれが自分の個性やセンスにつながっていくんじゃないかなと思っています。」 千原さんの源泉は学生時代に年間300本以上見た映画のようです。

第2部:ワークショップ「KAWAIIを手書きで表現」

ワークショップ1

今回のワークショップは、グループワークではなく、個人作業がメインです。千原さんが実際ディレクションを手掛けた写真家レスリー・キーさんのファッションフォトを印刷したA3の用紙に手書きで「KAWAII」要素を盛り込んでいきます。頭の中で思い描いたものをスラスラと書き加える受講生や、「KAWAII」について頭を悩ませる受講生たち。刻々と時間は過ぎていきます。

ワークショップ2

完成したら個人の作品を壁に貼っていき、投票していきます。同じ写真であっても、上下に捉えていたりする上に、手書きが加わることで全く違う作品となりました。中には背景を塗りつぶすことで際立たせた作品や、あえて鉛筆で細かいドローイングを施した作品など、様々な感性の作品が多数貼り付けされると圧巻でした。投票数の多かった作品や、面白い発想の作品を中心に講評していただきました。

ワークショップ3

様々な場所を経験してきたことで、今があるという千原さん。最後に、「現場に行けば、否応なくビジネスライクなプレゼンの場がたくさんあるので、学生のうちは技術的なことよりも、自分の中の負けないものをとことん突き進んで武器を作ってほしい」とブランディングの大切さを語っていただき、今回のプレックスプログラムは終了しました。千原徹也さん、本日はありがとうございました。

Text by 編集&ライティングコース
村田知子

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